29日(火)は朝、カヌー8艇で瀬嵩の浜を出発した。朝の大浦湾は波が穏やかで、波紋が澄んだ海の底に揺らめいて美しかった。途中で抗議船1隻と合流し、K9護岸とN4護岸の二手に分かれて状況確認を行った。
K9護岸にはすでにランプウェイ台船が接岸し、ダンプカーに土砂を乗せる作業が始まっていた。まだ大量の土砂が台船に乗っていて、午後3時頃になってもまだ陸揚げ作業が行われていた。台船の入れ替えは午後4時頃になりそうだったので、この日はフロートを越えて抗議することはなかった。
K9護岸でのランプウェイ台船の入れ替えが遅れそうだったので、この日は午前、午後の2回、辺野古岬のN4護岸の工事状況を確認しに行った。この間、ゲートから搬入された捨て石用の石材を積んで、次々とダンプカーがやってくる。下ろされた石をショベルカーで整え、打ち固めながら前に伸ばす作業が続けられた。
ショベルカーが石材を救い上げるたびに、白い粉塵が舞い上がっていた。洗浄せずに使用されているのが分かる。
午後2時頃の段階で、N4護岸はすでに30メートルほどまで伸び、波打ち際まで数メートルに迫っていた。明日30日には海に石材が投下されそうだ。辺野古岬周辺は水深が浅い岩場なので工事の進行が速い。
これからカヌーチームと船団は、土砂が陸揚げされるK9護岸とN4護岸の2か所で抗議行動を展開することになる。県民投票の取り組みも含めて一段と忙しくなるが、やるしかない。沖縄の将来を考えれば、傍観者ではいられない。
次の土砂投入が打ち出されている②工区の様子も確認した。久しぶりにK4護岸からK3護岸にかけてカヌーを漕いだが、K4護岸の上では2台のクレーン車で、根固め用袋材を設置したり、護岸の天端にコンクリートブロックを設置する作業が行われていた。
K3~K2護岸では、防砂シートを設置する作業が行われていた。普段は豊原の高台から見ているのだが、カヌーで間近に見ることができた。現在、これらの工事を止めるには、ゲート前で資材の搬入を止めるしかない。
辺野古側の埋め立てを進めるために、沖縄防衛局は新たにN4・K8護岸を造って、土砂を陸揚げする「桟橋」を増やそうとしている。県民投票を前にさらに工事を加速し、何をやっても無駄だ、と沖縄県民を無力感に陥らせ、軍事植民地化の奴隷の屈辱を味合わせようとしている。
県民投票で近所の投票所に行って1票を投じ、意思表示する。そんな楽して辺野古新基地の工事が止まるなら、とっくに止まっている。県民投票の成功を安倍政権が黙って見ているわけもない。安倍政権は県民投票を逆手に取り、それを失敗させることで自らに有利な状況を造ろうとしている。それだけでなく、県民の関心が県民投票に向かっている間に、辺野古の工事を大きく進めようとしている。
県民投票に1票を投じる前に、1人でも多くの人が辺野古の現場を見てほしい。マスコミやインターネットの情報だけでなく、自分の目でゲート前や海の状況を確かめてほしい。私もカヌーに乗って初めて、辺野古の海・大浦湾の価値、素晴らしさを知ることができた。今こそ多くの人にカヌーに乗ってほしい。