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Channel: 海鳴りの島から
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沖縄県知事選挙/さきま淳候補は軟弱地盤の問題をどう考えるのか。

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 写真は2016年3月7日に大浦湾で撮影したものだ。3日前の3月4日に、国と沖縄県の間で代執行訴訟の和解が成立し、この時期はカヌーチームも大浦湾を自由に漕ぐことができた。海底ボーリング調査も中断に追い込まれていて、クレーン付き台船は岸の近くに移動していた。

 しかし、ボーリング調査を行うガイドパイプは、長島近くの海上に残されたままとなっていた。他の調査地点は1~2週間程度でボーリング調査が終わるのに、埋め立て区域の大浦湾側の角にあたるこの地点では、長期間にわたって調査が行われていた。

 カヌーチームは監視活動と練習を兼ねて大浦湾を漕ぐとき、ガイドパイプを目印にし、いつも様子を確認していた。なぜこの地点でこれだけ長く調査をしているかについて、当時いろいろな意見があった。フロートの設置を継続するための見せかけではないか、海底に空洞などの問題があるのではないかなど、推測が交わされた。

 日々の調査にも予算が費やされる。何の意味もなく長期間、同じ地点で調査が行われるはずはない。そう考えていたが、理由は解明できないまま、7月から高江のヘリパッド建設が再開され、カヌーメンバーの多くも高江の抗議行動に参加するようになった。再び大浦湾のボーリング調査に対し抗議を取り組むようになったのは、2017年に入ってからとなった。

 2017年2月4日に大型特殊船ポセイドン1号が大浦湾に姿を現した。詳細な海底調査を行うためで、4月19日までの約2か月半、同船は大浦湾内を移動しながら調査を行った。もはや埋め立て予定地の海底に大きな問題があるのは明らかであり、この頃から活断層の問題も取りざたされていた。

 その後、海上行動のメンバーでもある北上田毅さんによって、大浦湾の埋めたて予定地の護岸建設箇所が、極めて軟弱な地盤があることが明らかにされた。情報公開法を駆使した資料収集と分析の成果だった。

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/225830

 https://dot.asahi.com/aera/2018040300042.html

 この問題については、最新の雑誌『世界』10月号で北上田さんが詳しく論じている。また、下の北上田さんのブログでも資料を紹介しながら論じているので、ぜひ読んでほしい。

https://blog.goo.ne.jp/chuy/e/f857b29702aae51bb1965aad007c225b

 今回の県知事選挙で佐喜真淳候補は、自分が当選すればすぐにでも普天間基地の返還が進むかのように宣伝している。しかし、この軟弱地盤の問題を解決しないと、大浦湾側で埋め立て工事を進めることはできない。地盤改良を行うにしても工期は伸び、予算も増大する。大浦湾の環境破壊もよりひどくなる。

 そうやって辺野古新基地建設工事が長期化すれば、普天間基地の返還も遅れていく。佐喜真候補の本音は、自分が当選すれば政府と「協調」して設計変更もどんどん承認して工事を進めていく、というものかもしれない。しかし、それでも軟弱地盤の問題は、佐喜真候補のいう「普天間基地の早期返還」を困難にしていることに変わりはない。

 県知事選挙に立候補している佐喜真氏は、この問題について自らの見解を明らかにする義務がある。軟弱地盤の問題は辺野古新基地建設の進捗に影響し、佐喜真候補が最優先の課題とする普天間基地の返還と深くかかわっている。有権者に説明できないのでは、あまりにも恥ずかしい。候補者としての資質が問われる。

 これは沖縄県民だけの問題ではない。辺野古新基地建設は、完成までのどれだけの予算がかかるのか。軟弱地盤の問題だけでも、新たにどれだけの予算が追加されるのか。これは全国の市民が等しく考えるべき問題だ。この新基地は莫大な予算を費やして建設するだけの意味があるのか。

 実際にはもっと安上がりですむ解決策がありながら、沖縄の基地利権に群がる政治家、官僚、ゼネコンのために、どんどん予算を膨らませ、時間がかかる工事を強行しているのではないか。そのために沖縄県民を分断し、対立させ、犠牲を強要しながら。再編交付金がどうのというが、辺野古新基地のために費やされる予算があれば、教育、医療、福祉のためにどれだけ役立てられるか。

 日本政府はこれ以上予算を浪費し、辺野古の海・大浦湾の破壊を進めることをやめるべきだ。誤った政策は中断し、引き返す勇気を持たないといけない。どうしてわざわざ建設が困難な場所に基地を造ろうとするのか。建設予算を膨らませて笑うのは誰か。利権集団に手を貸して沖縄を売ろうとするのは誰か。私たちは見抜かなければならない。

https://twitter.com/tamakidenny

https://twitter.com/shimagurumi

 


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