8月の最終日となった31日(金)、故翁長雄志知事の遺志を貫き、辺野古新基地建設を阻止するため、沖縄県の謝花喜一郎副知事が埋め立て承認撤回に踏み切った。この日は午前中、県の承認撤回を支持し、護岸撤去と新基地建設を訴えて海上行動を行った。
カヌーは松田ぬ浜から8艇が出発し、K4護岸とN3護岸がつながる辺野古岬付近まで漕いで、抗議船3隻と合流した。目の前にある護岸の向こうは、8月17日に土砂投入が予定されていた工区である。横断幕やプラカード、虹の旗などを掲げ、交替でマイクを手にして思いを語った。
この4年近く、新基地建設を強行する日本政府・安倍晋三政権と対峙してきた翁長知事は、すい臓がんのため8月8日に逝去した。全国47都道府県知事の中で、ここまで国から圧力を加えられ、心労を重ねてきた知事がほかにいるか。
沖縄の中で米軍基地をたらい回しするのは、県民同士で被害と犠牲を押しつけあうことにしかならず、問題の解決にはならない。耐用年数200年といわれる基地を新たに造れば、沖縄県民は半永久的に基地被害に苦しめられる。
子や孫の世代に基地負担を残してはならない。そういう思いで翁長知事は、最後の力を振り絞って、埋め立て承認撤回の作業に着手することを表明したはずだ。これまで早く承認を撤回するように求めてきた者として、県が撤回に踏み切るこの日に、高見の見物をしているわけにはいかなかった。せめて海に出て、撤回の支持と連帯の意思を示したかった。
久しぶりに海上でマイクを手にしたが、政府は承認撤回をきちんと受け止め、辺野古新基地建設を断念すべきだ。その上で早急に原状回復措置をとり、護岸を撤去して中の生物を救わねばならない。莫大な予算と時間を浪費し、基地・軍事利権に群がる者たちを肥え太らせるために、沖縄県民をこれ以上苦しめるな。
午前中、K4護岸の内側ではショベルカーが動いているのがカヌーからも見えた。
午後1時過ぎに豊原の高台から見ると、土砂投入予定工区の海岸付近で、赤土を剥き出しにして作業をしている様子が確認できた。NHKニュースの空撮映像を見ると、海岸部がきれいに掘削されて、土砂投入の準備が進められていた。
明日以降、法的根拠を失ったにもかかわらず、沖縄防衛局が工事を行っていれば大問題になる。多くの県民が監視を続けよう。