2015年4月28日に大浦湾で行われていた海底ボーリング調査に抗議し、抗議船とカヌーで大行動を行った。その際、抗議船ラブ子を海上保安官が規制し、すでに静止しているにもかかわらず定員をオーバーして海保の保安官がラブ子に乗り込んだ。
特に船尾付近には乗員2名と保安官3名がいて、不安定な状態にあったにもかかわらず、海保保安官の1人が海から強引に乗り込もうとしたため、ラブ子はバランスを崩して横倒しとなり、転覆した。日頃「安全確保」を口にする海保によってラブ子の乗員は危険にさらされ、船は使用不能となった。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/13706
今日はラブ子の船主が海保を訴えた国賠訴訟の被告側の尋問があったので、午前、午後と那覇地裁で傍聴した。4人の海上保安官が法廷で尋問を受けたが、うち2人は4月28日当日が初めての辺野古海上警備で、経験未熟な保安官の現場判断のまずさが転覆の一因だったことを感じた。
海保側は、カヌーメンバーの1人が船首付近から船尾付近に移動しようとしたことが、船のバランスが崩れて転覆した原因であると主張していた。しかし、原告代理人の弁護士が写真や動画を使い、その主張が成り立たないことを客観的に証明していた。
何よりも事件当日のテレビのニュース映像が、海上保安官が海からラブ子に乗り込もうとしたため、船が傾いて転覆する様子を生々しくとらえている。それを見ればラブ子転覆の主因が、海保保安官の行為にあったことは一目瞭然なのだ。
当時はいまに比べて、海保の弾圧がかなり厳しかった。市民の抗議船に海保のゴムボートがわざと船体をぶつけ、破壊させながら規制することも何度かあった。4月28日の2週間前にも、海保によってラブ子が危うく転覆されそうになった。ラブ子の安定性について、何度も規制してきた海のプロ集団である海保が知らなかったというのか。
ラブ子が海保のボムボート2隻にはさまれ停止させられた時点で、ラブ子の船長が1度は後進しようとしたもののあきらめ、その後は無抵抗で座り込み、操船の動きはなかったことも海保の保安官たちの証言で明らかとなった。それまでの動きで興奮して過剰に反応し、ラブ子を転覆させたのが海保であるのは明らかである。
正直言って、ウチナンチューの若い海保職員が尋問されている姿を見ていて、甘いかもしれないが気の毒な気持ちもあった。ウチナンチュー同士がこういう形で辺野古の海で対立し、ぶつかり合うのは私の本意ではない。一番悪いのは若い海保の職員に辺野古で警備させている安倍政権だ。国家権力の末端で実力行使している海保職員の行為を容認することはないが、本当の敵を見損なってはならない。
海保の職員も一人ひとりは思う所があるだろう。1日も早く日本政府は辺野古新基地建設を断念し、彼らを本来の仕事に戻すべきだ。彼らの能力を米軍基地建設のために利用するのではなく、人の命を救うために生かすべきなのだ。