https://www.youtube.com/watch?v=aY2jiszhXYo&feature=youtu.be
6日(水)も今日中に仕上げなければいけない仕事があり、海上行動には参加できなかった。お昼前にキャンプ・シュワブのゲート前に行き、この日2回目の資材搬入に抗する座り込みに参加した。
国道に資材を積んだ車両が並び始め、米軍基地の中から沖縄県警・機動隊が出てきて、座り込む市民の前に立ちはだかる。「今こそ立上がろう」の合唱が終わるのを待っていたかのように、機動隊による市民の強制排除が始まった。
https://www.youtube.com/watch?v=13PivYb554g&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=-8E9kkrHcGs&feature=youtu.be
体格ではるかに勝る機動隊に、市民の必死の抵抗が続く。組んだ腕を力尽くで引きはがされ、手と足をつかまれて抱え上げられ、歩道に設置された鉄柵の檻に運ばれる。肘の関節を逆にねじられて、痛みに声をあげる人もいる。全員を強制排除するのに、20分ほどかかった。
最終的には工事車両が入るといっても、座り込む市民がいなければどうなるか。ゲート前に機動隊のバスを置く必要もなく、いつでも自由に作業車両が出入りする。そうなれば今の何倍も資材が搬入される。ゲート前でも海でも、市民の抵抗があるから工事を思うように進められないのだ。
インターネットで大言壮語を吐く者など役には立たない。実際に工事を止め、遅らせているのは、現場で汗を流し、痛い思いをしながら行動している人たちなのだ。そういう人が増えなければ、工事は進んでいく。
辺野古の海を破壊し、生き物を押し潰す石材が搬入されていく。荷台からはみ出しそうな大きな岩もある。こういう石が毎日辺野古の海に投下されているのだ。その現場を実際に見て、石が下ろされる音を自分の耳で聞いてほしい。ヘリ基地反対協に申し込めば、船に乗って海に出ることができる。
新基地建設の資材を搬入する車両だけでなく、基地内で出た赤土を搬出する車両もある。埃を防ぐために路上に散水すると、タイヤについた赤土が路面をぬめらせてスリップする車両もあった。ゲートに設置された「殺人鉄板」は何の役にも立たず、沖縄防衛局が国道を危険な状態にしている。ここでスリップ事故が起これば、沖縄防衛局の責任だ。
午後1時半頃、辺野古漁港の堤防から護岸工事の様子を見ると、K4護岸では2か所で被覆ブロックの設置が行われていた。N5護岸と思われるところでは、内側に根固め用袋材を設置する作業が行われていた。
県民投票を進めている人たちは、投票予定という9月までに辺野古の海がどうなっているか、真剣に考えているのだろうか。今のまま工事が進めば、6月中にはK4護岸とN3護岸がつながり、海が仕切られてしまうだろう。そうなれば潮の流れがさえぎられた護岸の内側は、夏の日差しに照らされ海水温が上がっていく。そこに土砂が投入されれば、海草藻場もサンゴも魚介類も急速に死滅していく。
日本政府・沖縄防衛局は7月にも土砂を投入すると言っている。県民投票を行なうという9月には、辺野古の海の護岸で仕切られた海域は、死の海と化しているのだ。翁長知事の埋め立て承認撤回を後押しするというが、いったい何のための撤回、県民投票なのか。辺野古の海を守るためではないのか。
その辺野古の海がもうじき殺されようとしている。署名運動をやって、自分たちも頑張っている、と思っている間に、護岸はつながってしまうのだ。民主主義の実践、若者の政治参加、美しい言葉が並ぶ。だが、辺野古の海を守るのではなく、県民投票をやることが目的になってしまえば、本末転倒でしかない。
船やカヌーに乗って護岸工事を目の前に見たり、ゲート前に座り込んで機動隊にごぼう抜きにされるのはきついことだ。地道にきついことをやるよりも、マスコミが注目する派手なことをやりたがる者が増えれば、工事はどんどん進んでいく。
日本政府は何を狙っているのか。県知事選挙で政府の言いなりになる知事を誕生させることであり、そのために護岸工事を急ぎ、後戻りのできない状況を作ろうとしている。その狙いが果たされれば、知事の撤回も県民投票も意味をなさなくなってしまう。名護市長選挙の結果を見れば明らかなように、県民の中にすでにあきらめムードは広がっている。最優先すべきは護岸工事を止めることだ。
名護市においては、渡具知市長と安倍政権の間にくさびを打ち込むためにも、9月の市議会議員選挙は重要な意味を持つ。政党・労組・市民が選挙と県民投票とに二股をかけて、運動の力を分散させるのは自滅行為だ。市議会議員選挙に力を集中し、野党多数の現状を死守しなければならない。
生まれた砂浜を奪われ、産卵場を求めて辺野古の海をさまようウミガメが哀れだ。カヌーは漕げなくても、抗議船に乗ってその姿を見てほしい。