12日(土)は小雨が降るなか、カヌー15艇で松田ぬ浜を出発した。K4護岸の手前側では捨て石の投下が始まっていて、オイルフェンスを越えて抗議したが海保に拘束された。
K3護岸から辺野古岬側に曲がり、K4護岸はこの場所で50メートルほど伸びている。辺野古岬側からこちらに向かって伸びている部分との距離は、残り200メートルぐらいだろうか。両方から工事が進められているので、今月末から来月の前半にはつながる可能性が高い。
沖縄県は現場の状況を正確に把握しているのだろうか。メディアも毎日詳しく報じているわけではない。埋め立て承認の撤回にしても県民投票にしても、現場の工事の進行を離れて論じていては机上の議論になってしまう。
何度もくり返すが、辺野古側で進められている護岸工事は、11月の県知事選挙までに「後戻りのできない状況」を作り出し、沖縄県民にあきらめムードを広げて、日本政府の言いなりになる知事を誕生させるための策動だ。名護市長選挙の結果を見ても、それは成功裡に進んでいる。
県民投票を進めている者たちは、翁長知事を後押しするつもりらしいが、9月もしくは11月までの工事の進捗を考えれば、自分たちの思いとは全く逆の結果になる可能性が高い、ことを想像しないのだろうか。現場には来ない弁護士、学生、学者、企業人ら中心の運動が、沖縄の状況をふまえずに独走すれば、単なる失敗ではすまされない事態になりかねないことを心すべきだ。
訳知り顔で翁長知事と県民投票推進論者の陰謀論を展開する者まで出る始末で、そういう阿呆たちは論外にしても、県民投票を現段階で行うことに懐疑的な人は、新基地建設に反対している人たちにも多い。住民投票一般が問題なのではない。本来の支持層のまとまりがなく、下からの盛り上がりもないままに、知識人層が上から目線で進める運動がどうなっていくか。引き起こされた結果を、県民が決めたこと、と責任転嫁することは許されない。
途中から雨脚が強くなったので、カヌーによる行動は中止して、抗議船でほかの護岸の様子を見てまわった。K4護岸の辺野古岬側から伸びて来た先端部では、今日は作業が行われていなかった。ゲートからの資材搬入が昨日から止まっているせいだろうか。
5・15平和行進に右翼団体が嫌がらせをするので、機動隊がその対応でゲート前を離れている。そのせいで資材搬入ができていないなら、沖縄防衛局も歯噛みしていることだろう。
K4護岸の辺野古岬方向に伸びている工事では、先端部での捨て石作業はなく、N5護岸との接続部で根固め用袋材を下ろす作業が行われていた。ほかに帯状の資材も下ろしていたが、作業員がかなり集まっていた。護岸の内側のため何を作っているかは見えなかった。
N3護岸は先端部を保護されたまま、重機類も出ていなかった。
昼食後、道路脇の草刈り作業をした。午後2時20分頃に護岸の様子を見に行くと、K4護岸の手前側では捨て石の投下が続けられていた。
午後からは晴れて陽が差した。海上行動は午前中で切り上げたので、抗議する機会を逃すことになった。できるうちに少しでも抗議の声をあげたいのだが、梅雨時の天候判断は難しい。
5・15平和行進に参加するために県外から多くの人が訪れている。松田ぬ浜まで足を運び、護岸工事の様子を見る人も目立った。この機会にぜひ自分の目で確かめてほしい。そのうえで、自分たちは何をすべきかを考えて、全国各地で行動してほしい。