東京新聞(電子版)が、原子力基本法の基本方針が変更された重要問題を指摘している。原子力設置委員会設置法の付則を変更する形で、原子力の研究と利用を「平和の目的に限り」としていた限定をはずし、「我が国の安全保障に資する」という一文を加えることで、原子力(核)の軍事利用に道を開こうとしている問題である。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012062102000113.html
この問題については、世界平和アピール七人委員会が19日付でアピールを発していた。
http://worldpeace7.jp/modules/pico/index.php?content_id=127
西谷修氏も自身のホームページで19日に触れていた。
http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/p/gsl/
設置法の付則に手を加えて上位にある基本法の根幹を改悪し、原子力(核)の軍事利用に道をひらく。広く議論となることを姑息な手法で回避し、自分たちで起こした火事の焼け跡で火事場泥棒を働くようなやり口である。
消費税率引き上げ問題と民主党の分裂騒ぎのかげで、こういう重要な問題がろくに議論もされずに決まっていく。大飯原発の再稼働決定といい、今も進行中の福島第一原発の事故から何も学ばず、野田政権は奈落に落ちることを望んでいるようだ。それに付き合わされてはたまったものではない。東京新聞の記事が記すように、付則の撤廃とやり直しを求める声を上げていきましょう。