辺野古の海で海上座り込みが行われた翌26日に韓国の済州島にわたり、27日に「東アジアの文学的抗争と連帯」と題されたシンポジウムに参加した。1948年に起こった「4・3事件」から今年は70年にあたり、関連する行事の一つに招かれて発言する機会を与えていただいた。
「4・3事件」を描いた小説『順伊おばさん』『地上に匙ひとつ』などの作者で、韓国・済州島を代表する小説家である玄基榮氏の講演のあと、海外からの参加として台湾の詩人・李敏勇氏、ベトナムの小説家・バオ・ニン氏、沖縄から私が発言した。
韓国・済州島の「4・3事件」、台湾の「2・28事件」、ベトナム戦争、沖縄戦などの歴史経験を経て、東アジアで詩や小説を書くことの意義や各自の創作体験を語るシンポジウムとなった。
私の方は明治の「琉球処分」から沖縄戦にいたる歴史、沖縄人が受けた差別とアジア諸国への加害の問題、戦後の米軍支配と『琉大文学』、大城立裕、東峰夫、又吉栄喜の作品などについて話したあと、辺野古の海上とゲート前での抗議行動について写真と動画で説明した。
27日は韓国と北朝鮮の首脳会談が開かれ、テレビでは朝から生中継でその様子が伝えられていた。韓国の人たちがどれだけ熱い思いでこの会談を注目し、期待しているかをじかに見て、歴史の変わり目を実感した。沖縄でテレビや新聞の報道に接しているだけなら、この会談の意味をこのようにはとらえきれなかっただろうな、とつくづく思った。