2月28日付琉球新報朝刊に〈サンゴ採捕期間2カ月延長申請/防衛局、県に〉という見出しの記事が載っている。以下に引用する。
〈沖縄防衛局は27日、名護市辺野古の新基地建設予定地海域で見つかった絶滅危惧種のオキナワハマサンゴの移植について、移植のために県に申請していた採捕期間を2カ月延長するよう申請した。当初は2月16日から3月1日までとしていたが、4月30日まで延長するよう求めた。/防衛局は、移植対象としているオキナワハマサンゴ1群体が21日、食害を受けていることが確認されたため、移植について「環境監視等委員会の指導・助言を得た上で採捕、移植したい」と延長理由を説明している。〉
移植対象となっているオキナワハマサンゴは、沖縄防衛局が現場で保護していたはずだ。それが食害にあうとはどういう管理をしていたのか。食害であれ、物理的傷であれ、稀少サンゴが損傷した責任は沖縄防衛局にある。
同海域ではオキナワハマサンゴを含めて14群体の稀少サンゴが見つかったが、そのうち13群体が死滅したと沖縄防衛局は発表している。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-584004.html
死滅の原因は何だったのか。沖縄防衛局は死滅する前に現場で保護措置を取ったのか。周辺で進められている護岸工事や仮設道路工事が影響していないと、どうして断言できるのか。
現場での保護すらまともにできない沖縄防衛局が、サンゴの移植をして死滅させないと信じられるか。移植したサンゴの生存率の低さを、サンゴ移植の専門家が指摘している。
高江のヘリパッド建設でも、希少植物の移植が行われた。そこでも失敗して枯れた植物は多い。どこにでも生えるギンネムやサシクサではあるまいし、特殊な環境でしか育たないから希少種になるのであって、移植すれば保護しているかのような演出自体が欺瞞的なものだ。
希少生物が生息している自然環境全体を守るのが本筋であり、移植するから破壊していい、ということにはならない。翁長県政はこういう杜撰な対応しかできない沖縄防衛局のサンゴ採捕許可を撤回すべきだ。