15日(日)は兵庫県立美術館で「エルミタージュ美術館展」を見た。この春に東京に行ったときもやっていたのだが、その時はミュシャの「スラブ叙事詩」やブリューゲルの「バベルの塔」、「茶の湯」展の曜変天目茶碗など見たいものが多くて、足を運ぶことができなかった。心残りだったが、兵庫に来た際に見ることができて幸運だった。
その後、『サーミの血』という映画を見た。ある人たちには普通に得られる自由や権利が、別の人たちには故郷や家族、名前、言葉、文化を捨てないと得られない。差別と偏見の中で、一人の女性が自らの生き方を貫くために、どれだけのものを犠牲にしなければならなかったか。
老いた主人公が鬼気迫る姿で岩山を上り、昔ながらの暮らしを営むサーミのテントを訪れる。自由を求めてたくましく生きた…、というきれいごとではすまない痛みが伝わり、涙が落ちた。
少数民族への差別に人類学が果たした役割も描かれる。研究材料として持ち去られた人骨の問題も含めて、沖縄にとってこれは遠い別の国の話ではない。多くの人に見てほしい。
『サーミの血』公式サイト