13日は午後から東村高江に行き、米軍のCH53E大型輸送ヘリが民間地域で大破、炎上した現場を見てきた。民家から200メートルほどしか離れていない場所で、目視でもヘリの残骸が確認できる。
炎と黒煙を上げて燃えるヘリの映像は衝撃的だが、家の庭でそれを目撃した住民の驚きと恐怖はどれだけのものだったか。操縦不能になってあと数秒ヘリが飛んでいたら…、そう考えると安心して暮らせないだろう。
牧草地は海に向かって開け、過去にも米軍ヘリが着陸したことがあるという。米軍内では緊急時の避難場所として、あらかじめ確認されている場所もしれない。北部訓練場のヘリパッドまで移動する余裕がなく、この場所に緊急着陸したのなら、今後も同じことが起こりかねない。
昨年後半、剣道70号線では砂利を積んだダンプカーに抗議行動が連日のようにとりくまれた。そこからも大破した機体が見える。炎上した機体の前半分は完全に崩れ落ちている。
高江区の住民が要求しているように、政府・防衛省は高江集落周辺につくられた6基のヘリパッドを閉鎖すべきだ。重大事故を多発させている米軍に、沖縄の基地を使う資格はない。
現場に通じる道路を沖縄県警が封鎖しているので、メディア関係者も遠くから撮影するしかない。本来、沖縄県警は現場を捜査し、米軍を規制すべきなのに、やっていることは逆だ。米軍のために奉仕して、メディアや市民を規制することしかできない。情けない話だ。
昨年12月に名護市安部でMV22オスプレイが墜落した時には、米軍が墜落した機体を持ち去るのを、海保も県警も見ていることしかできなかった。同じことがまた繰り返されるだろう。証拠資料はすべて米軍が持ち去り、米軍に都合のいい発表が行なわれ、原因究明もなされないうちに訓練が再開される。
自民党にしろ公明党にしろ政権与党は、衆議院選挙に与える影響しか気にしていない。事故を逆手にとり、人口密集地で事故が起こると危険だから辺野古「移設」を急ぐべき、という論調さえある。沖縄を犠牲にして恥じない差別思考が骨の髄までしみ込んでいるらしい。
沖縄にとって諸悪の根源は米軍と自衛隊の軍事基地であり、それこそが目の前にある危機だ。実際に沖縄県民の命と生活を危険にさらし、脅かしているのは中国や北朝鮮の脅威ではない。これだけの頻度で重大事故がくり返される現状では、県民に死傷者が出る事故がいつ起きてもおかしくない。沖縄県民はどこかの国から飛んでくるミサイルより先に、米軍や自衛隊の起こす事故で殺される。