10月6日(金)は朝。カヌー10艇で松田ぬ浜を出発した。抗議船3隻と合流し、監視・抗議行動を行ったが、辺野古側の沿岸では3か所で、護岸建設に向けた工事が進められている。
どくろの絵がある浜では、K1護岸工事に向けた仮設道路の建設が最終盤になっている。すでに先端部までH鋼やコンクリートブロックの設置は終わっており、この日は上に敷かれている鉄板を手直ししたり、新たに設置するなどの作業が午前・午後と行われた。
赤白の鉄塔前の浜では、取り付け道路の工事が再開されている。映画館前の仮設道路工事を行っていた北勝建設が、そこでの工事を終えてこちらに移ってきた。汚濁防止膜の設置を終え、この日は根固め用袋材の設置が本格化している。
クレーンの足場が不安定なのか、午前中、一時作業が止まることがあった。ただ、その後は大型クレーンが根固め用袋材を先端部と海側側面に設置していった。取り付け道路を伸ばし、仮設道路とつなげていく作業が進められている。
映画館前の浜では、仮設道路の先端部に根固め用袋材を置く作業が進められた。3台のダンプカーで袋材を運んできて、かなりのペースで設置している。ダンプカーは丸政工務店のものということで、たんなる仮設道路の延長ではなく、すでにN5(中仕切り)護岸を請け負っている業者による作業が進められている。
カヌーチームは取り付け道路とN5護岸の工事に対し、何度もフロートを越えて抗議を行った。そのたびに海保に拘束されているが、N5護岸工事現場に肉薄し、一時的に作業を止めてもいる。たとえ拘束されても、目の前で進められる工事を黙って見ているわけにはいかないのだ。
秋晴れの下、工事が行われている辺野古の海は青く澄んでいる。工事が進めばこの場所は埋め立てられ、永久に失われる。それでいいのか。
衆議院選挙に向けて情勢が目まぐるしく動いているが、全国的には辺野古新基地建設問題は置き去りになっている。選挙に埋没していたら、この海、砂浜、海岸線は日々破壊されていく。それを止めるのは誰なのか。他人まかせの傍観者でいていいのか。
工事が行われている傍では、米軍のゴムボートが疾走し、CH53ヘリが低空飛行している。キャンプ・シュワブ内では工事のクレーン車が林立しているが、少し間違えば接触するのではないかと思う低さだ。
沖縄ではこういう風景が当たり前になってしまっている。しかし、これは決して当たり前ではない。異常な風景なのだ。異常を異常と感じる感性を失うように沖縄人は仕向けられている。生まれた時から米軍基地がすぐそばにあった。72年間続いているこの状況を異常と感じる知性を持たないといけない。
子どもの頃、飛行機の絵を描くと主翼や胴体に星のマークを書いていた。当時(1960年代) 、家の上空を飛んでいるのは全てといっていいほど米軍機だったのだ。いま、沖縄の子ども達に飛行機の絵を描かせると、MV22オスプレイを描く子どもがいるかもしれない。