10日は朝、カヌー13艇で瀬嵩の浜を出発した。波風ともに穏やかで、干潮時には海底のサンゴがよく見えた。辺野古弾薬庫下のくばま(小浜)では、8時には作業が始まったようで、午前中、捨て石を投下しつつ、側面の角度を測りパワーショベルでうち固める作業が行われていた。
くばまの隣にあるやに浜の工事用道路付近に、ダンプカーで運んできた石材を下ろす場所がある。そこでキャリアダンプに石材を載せ替え、くばまに運んでクレーンで海中に投下する作業がくり返されている。それに対し今日もカヌーチームはフロートを越え、投下現場を目指して抗議行動を行った。
二重に張られた大玉のフロートをカヌーで越えるのは簡単ではない。海に浮く不安定なフロートにまたがり、カヌーを引き上げ乗り込む準備をしないといけない。時には海に落ちることもあるが、みな苦労しながらこの態勢を作り、機会を待ち続ける。
https://www.youtube.com/watch?v=36g1LHc2tmY&feature=youtu.be
午後は6隻のカヌーが一斉にフロートを越え、作業現場の近くまで行って抗議の声をあげた。ここまで迫れば、その間は投下作業を進めることができない。みな何としても工事を止めたいという思いで海に出ている。カヌーが降れば波状的に抗議ができる。ぜひ練習して参加してほしい。
この日は午後、捨て石の投下が一定の距離進んだので、側面にふとんかご(根固め用袋材)を置いて保護し、さらに上にも並べていく作業が行われた。捨て石を布団かごで保護すると同時に高さをそろえ、鉄板を敷いてパワーショベルとクレーン車が前に移動し、さらに投下作業が進められていくのだろう。
海上では3隻のスパッド台船と2隻のクレーン付き台船を使い、計5か所で海底ボーリング調査も行われている。辺野古岬近くの作業ヤードでは 消波ブロックの製作も進められており、生コンプラントの建設も進められている。複数個所で新基地建設に向けた作業が進行しているのだ。
こういう作業を行う作業員も、必要な資材もすべてキャンプ・シュワーブのゲートから入ってくる。ゲート前で作業車両を止められると工事を進めることはできない。だから政府は機動隊を使って暴力的に弾圧し、座り込みを排除しているのだ。
海で行動していると、日々作業の進行を目にしている。石材が投下される音が弾薬庫下に響く。それを聞くと、高江の森を破壊していったチエンソーの音を思い出す。森でも海でも米軍基地建設のために沖縄の自然が破壊されている。それはさらに住民の生活を破壊し、新たな犠牲者を生み出していく。
翁長知事をはじめ、多くの人にこの現実をじかに見てほしい。くばまの風景は1週間前と大きく変わった。放っておけばやがてK9護岸ができて埋め立てが始まる。工事の難しさを強調して、いま進んでいることを軽んじてはならない。これ以上の海の破壊を食い止めましょう。