21日は所用があって海上行動は休みをとった。合間を見て瀬嵩の森から辺野古弾薬庫下の作業の様子を見た。カヌーや船が抗議するなか、小浜ではK9護岸の工事に使用する仮設道路の整備が続けられていた。
栗石を詰めた布団かごを重ね、土のうを置いて平らにしたあと鉄板を敷く。前日とはクレーンの位置が変わっていて、道路先端部の作業場所をさらに広げているようだった。
MV22オスプレイが国頭方面から飛んできて、キャンプ・シュワーブに着陸した。昨年12月に安部の海岸に墜落した事故などなかったかのように、平然と大浦湾の上を飛び着陸訓練を行っている。昼夜を分かたず爆音をまき散らし、低空飛行や吊り下げ訓練を行い、住民の抗議を無視してすませる。
米軍のやりたい放題に政府・防衛省はものも言えない。どこまでも卑屈に米国に自発的隷従を続けている。このままではいずれキャンプ・シュワーブとその周辺でも大事故が起こるだろう。人が死んでから悔やんでも遅いのだ。
瀬嵩の森から眺めると、手前のフロートの内側に汚濁防止膜が張られているのが見える。海上作業ヤードのケーソンを沈めるときに発生する汚濁のためのものだ。海底に捨て石を投下する際、砂泥が巻き上がって汚濁が発生する。その近くに防止膜を張らなければ効果はない。
であるなら、どうしてK9護岸が建設される辺野古弾薬庫下の海域には汚濁防止膜が設置されていないのか。写真を見ればわかるように、本来ならK9護岸建設のために捨て石を投下するそばに汚濁防止膜を張るべきだ。ケーソンの場所には汚濁防止膜を設置しているのに、どうしてK9護岸の場所には設置しないのか。
K9護岸の場所では捨て石を投下しても砂泥が巻き上がらないとでもいうのか?そんなことはあり得ない。南風や東風で潮が瀬嵩や二見側に流れる時には、汚濁はその方向に広がっていく。ケーソン設置場所に張られている汚濁防止膜は何の役にも立たない。こんないい加減なことがどうして許されるのか。
うるま市長選挙への影響を配慮して、政府・沖縄防衛局はK9護岸の着工を1週間遅らせた。来週には捨て石の投下が始まるかもしれない。何百メートル、あるいは1キロ以上離れた場所に汚濁防止膜を張ればそれでいいのか。どうしてK9護岸の建設場所のそばに汚濁防止膜を張らないのか。沖縄防衛局は説明すべきだ。