11日も天候不良のためカヌーは海に出られず、平和丸に乗って海上から作業の様子を観察するだけになった。汀間漁港を出て最初に長島の周辺を確認に行ったのだが、安部側の開口部から長島に向けて張られていた網付きのフロートが撤去され、これまでより一回り大きいオイルフェンスが張られていた。
日曜か月曜に張り替えたらしい。網を張ったフロートは隙間だらけで、カヌーが入ってくるのを防げないため、新たに導入したということか。それにしても、次から次にフロートやオイルフェンスを替え、新たに張りめぐらしているのだが、税金の無駄遣いもはなはだしい。いったいこのオイルフェンスで、どれだけの血税が浪費されたのか。
オイルフェンスの外側には、汚濁防止膜のアンカーのブイが浮かんでいた。この場所はまだ、浮沈式の汚濁防止膜が張られていない。設置するにはオイルフェンスと交差する形になるが、作業和船でオイルフェンスを押して広げるつもりか。それにしても、風向きによって重なるのは免れまい。
長島の辺野古岬側では、すでに固定式の汚濁防止膜が張られていた。フロートとはわずかしか離れていない。このあたりは潮の流れが速く、これまで台風時にはフロートを撤去してきた場所だ。そこに膜を下ろして流れを止めるとどうなるか。
海底に沈めた鉄板アンカーが引き摺られてサンゴを傷つけたり、潮流が変化して周辺の地形、生態系に悪影響を及ぼす可能性がある。長島や平島、その周辺の海にこれまでなかった人為的変化が強いられる。透明度の高い海をこうやった破壊していく愚劣さに怒りを覚える。
辺野古岬近くの陸上部では、今日も作業ヤードで消波ブロックや布団かごの製作が進められていた。写真でははっきりしないが、すでに大量の布団かご(根固め用石材)が山積みとなっている。ゲートから搬入される栗石が網袋に詰められ、工事用仮設道路の材料として準備されている。
長島近くのクレーン付き台船では、やぐらに掘削棒がはまり、作業員たちが海底ボーリング調査を行っていた。
ポセイドン1に同じ深田サルベージの船が横付けしていた。物資や燃料の補給を行っているのか。
瀬嵩側に移動するとケーソン設置場所の近くに、新たに固定式の汚濁防止膜が張られていた。浮沈式とは形状が違い、かなり黒ずんでいる。残念ながら、海上行動に出られない間に汚濁防止膜の設置が進んでいる。
辺野古弾薬庫下の浜付近では、大型クレーンが新たに設置されていた。前日、ゲートからブームが搬入されたが、それを組み立てたと思われる。K9護岸の建設に向け使用されるのだろう。やに浜には撤去された網付きフロートが並べられていた。
やに浜から小浜にいたる作業用の仮設道路では、ショベルカーが発電機を運んでいた。K9護岸の開始部まで道路は完成しているようだった。
船から下りたあと、瀬嵩の県道沿いや森の上から作業の様子を見た。固定式汚濁防止膜の所にタグボートや作業和船が来て、膜をまっすぐに伸ばし、整備していた。
辺野古岬の近くに設置されていたスパッド台船が移動していた。次はどこの地点に設置されたかは未確認。
見ての通り、いくつもの場所で作業が同時進行しているが、資材や作業員の大半はゲートから入ってくる。基地内の工事はゲートを封鎖されると進められない。ゲート前に人が集まれば工事は止められるのだ。辺野古の海、大浦湾の破壊を許してはならない。ゲート前の座り込みに参加を!