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沖縄をこれ以上、基地と軍事利権の島にしてはならない

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 航空自衛隊那覇基地のホームページの〈新着情報〉に〈−企業の皆様へ− 南西航空混成団援護(24.2.8)〉という文章が載っている。退職する航空自衛官の採用を民間企業に呼びかける内容だ。2月8日付で、年度末を前に組織をあげて再就職先探しを行ったようだ。

http://www.mod.go.jp/asdf/naha/index.html

http://www.mod.go.jp/asdf/naha/nankonengo2012.html

 退職する自衛隊員の再就職については、一般財団法人自衛隊援護協会という防衛省所管の公益法人が支援活動を行っている。

http://www.engokyokai.jp/

 〈守る人から、攻める人へ〉という企業向けのキャッチコピーがすさまじい。今の自衛隊がどこに向かっているかがよく分かる。
 就職難の時代に、このように手厚く再就職の世話をするのは、自衛隊勧誘の際の“売り”でもある。自衛隊で給料をもらいながら技術・資格を身につければ、再就職する時も有利だ。30年、40年も前からそう言われてきた。ところで、自衛隊援護協会のホームページの「企業さまメニュー」の「人事・採用ご担当者さま」を見ると、次のように記されている。

〈防衛省および自衛隊には職業紹介の権限がないため、当協会が代わって再就職の斡旋を行っております〉

http://www.engokyokai.jp/hr_pro.html

 下の方の「自衛隊援護協会メニュー」の「自衛隊援護協会について」の説明でも、以下のように記されている。

〈自衛隊援護協会は、国の許可を受けて主に退職自衛官の再就職に関する援護業務を実施する非営利型法人です。防衛省および自衛隊には職業紹介の権限がないため、当協会が代わって再就職の斡旋を行っております〉

http://www.engokyokai.jp/about.html

 〈防衛省および自衛隊には職業紹介の権限がない〉ということが繰り返されているのだが、南西航空混成団司令部の総務部援護業務課で独自に退職自衛官の採用を企業に呼びかけるのは、なんの問題もないのだろうか。航空自衛隊那覇基地のホームページの文章を読む限りでは、同基地を退職する航空自衛官に〈職業紹介〉や再就職先を斡旋するために、企業に採用を呼びかけているとしか見えないのだが。

 この呼びかけに応じる企業が、何の見返りもあてにしていないのか、ということも気になる。求人だけを目的に連絡する企業がないとはいわないが、防衛省・自衛隊で過去に何度も天下りや談合の問題が起こっているのを見ると、企業の側にも退職自衛官を採用することで、営業利益を上げるための関係作りを目的としているのでは、と考えざるを得ない。
 航空自衛隊の官製談合事件では、2010年3月に発覚した航空自衛隊第1補給処の事務用品談合事件が記憶に新しい。

http://rwxpr3ayyl.jugem.jp/?eid=23&guid=ON&view=mobile&tid=3

 同事件では、航空自衛隊トップの外薗健一朗航空幕僚長以下50人が処分され、外園航空幕僚長はその後、退任している。

http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010121401000622.html

http://www.mod.go.jp/j/press/news/2010/12/14a.html

 また、普天間基地の辺野古「移設」に係る環境影響評価でも、調査を請け負った元請け業者や孫請け業者に、防衛省OBが天下りしていたことが明かとなっている。

 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-01-24_28896/

 沖縄では今、新防衛計画大綱に沿って、先島への陸自部隊配備や南西航空混成団・第5高射群へのPAC3配備などが進められようとしている。新たな部隊の配備は基地建設や備品購入など巨額の利権を生み出す。工事や備品の受注を狙う企業は、すでに活発な営業活動を行っているはずだ。こういう時期だからこそ、航空自衛隊那覇基地の民間企業への採用呼びかけにも、注意が必要である。
 それは民間企業だけではない。北朝鮮の人工衛星打ち上げを利用して、政府・防衛省・自衛隊は沖縄県や那覇市、南城市、宮古島市、石垣市、与那国町などの庁舎に自衛隊員を送り込み、行政との密接な関係作りを行った。それを踏まえて、県内自治体の防災・危機管理担当者として、自衛隊員の再就職が進められる可能性がある。特に、自衛隊誘致に積極的な首長がいる自治体は要注意だ。
 防衛省・自衛隊では〈再就職に向けた具体的な教育・訓練〉として、以下のように自治体向けの〈教育・訓練〉も行っている。

〈このほか、地方自治体等の防災・危機管理担当部課等で勤務するために必要な専門的知識・技能を修得することを目的とした「防災・危機管理教育」も行っています〉

http://www.mod.go.jp/gsdf/retire/kyouiku/index.html

 有事=戦争体制を作り出すためには、行政、民間企業、マスコミ、各種団体、住民が自衛隊の命令・指示に従うだけでなく、積極的に協力する状態まで持っていかなければならない。より多くの自衛隊OBを行政や民間企業に送り込むことは、その下地作りとなる。自衛隊は沖縄においてその作業を、すでに40年間積み重ねてきている。
 第32軍司令部壕の説明板問題で、県内の自衛隊関係者が動いていることを書いた。奥茂治氏が副理事長を務める南西諸島安全保障研究所が、下地島空港への自衛隊配備を画策したことにも触れたが、利権が生まれる所にはこういう怪しげな人物たちがうごめく。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-725-storytopic-9.html

 下地島空港の軍事利用もいずれ再浮上してくるだろう。沖縄の各地域で、自衛隊強化に反対する運動を取り組みましょう。米軍基地が集中しているだけでなく、自衛隊基地までも拡大・強化されていけば、沖縄県民はこれまで以上に危険にさらされ、実害を受けることになる。基地・軍事利権でうごめく者たちに、沖縄を食い物にさせてはならない。

 


 


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