23日は公休日だったが、高江ではいつも通りにヘリパッド建設に反対する行動が取り組まれた。N1表ゲートでの座り込み・集会と同時に、H地区のヘリパッドやN1表ゲート近くの砂利置き場、米軍歩行訓練道路などにも市民が行き、監視や抗議行動を行った。
H地区のヘリパッドでは盛り土部分の法面に注意して様子を見た。先週から雨模様の日が多く、法面の芝生は貼り付けが乱れ、斜面の凹凸が目立つ。一部には陥没が始まっているように見える場所もある。返還式典に間に合わせるために工事を急いだことの弊害が、早くも現れているのではないか。
その下の補強された盛り土部分は、法面の上と下の色が明らかに違う。種子吹き付けがなされているのだが、上の方は緑色が残っているのに下の方は赤土が漏れ出ていて、布団かごを敷いた最下部は赤土が溜まっていた。
赤土は布団かごでせき止めるつもりだったのだろうが、その横からはみ出して下の方に流れ出している。さらに赤土の流出が続けば、沢に流れ込み汚濁が生じるのは明らかだ。
もともと谷間だった場所を盛り土で整地してヘリパッドを建設したため、H地区は難工事を強いられ多くの問題点が指摘されてきた。日本政府・沖縄防衛局は16日に完成したと打ち出したが、それから1週間の状況を見ると先が思いやられる。
先週16日の米軍によるヘリパッド工事状況の確認のあと、切株を枯らすために新たにチエンソーで断面や根に切り込みが入れられた。それでも必死に再生しようとひこばえを生やす木々の姿がある。だがそれもいつまでの命か…。
N1表ゲート近くの砂利置き場には、ヘリパッドや工事用道路の路盤材に使用されたものとは別種の砂利や栗石が積まれている。ほかにもH地区ヘリパッドも近くなどに砂利が大量に蓄積されており、今後どのように使用されていくか注意を要する。
返還式典の翌日かつ公休日ということもあってか、H地区と砂利置き場では作業は行われていなかった。しかし、米軍の歩行訓練道路では建設工事進められていて、市民の抗議により一時作業が止まった。
北部訓練場の部分的返還式典が行われ、米軍にヘリパッドが引き渡されたのでN1やH、G地区のヘリパッドがすぐに使用されるものと勘違いしている人がいるかもしれない。しかし、張り付けたばかりの芝生は養生期間が必要で、実際に使用できるのはまだ先の話だ。H地区のヘリパッドは「立ち入り禁止」の札が貼られている。ほかの地区も同じで、完成とは名ばかりのものだ。