21日は前日に続き那覇地裁に行き、ラブ子号を転覆させた海上保安庁を訴えている裁判を傍聴した。裁判所向かいの公園で事前集会を開いたあと公判を傍聴したが、この日は書面を提出しただけで早々と終った。そのあと公園に戻り弁護団から説明を受けた。
引き続き同公園で、20日に下された最高裁判決を糾弾する緊急集会が開かれたので参加した。辺野古新基地建設に向けた埋め立て承認の取り消しを翁長知事が行った。だが、今回の最高裁判決を受けて「取り消しの取り消し」が26日にも行われると報道されている。
日本政府は早々に工事を再開する構えだ。名護市安部の海岸にMV22オスプレイが墜落したにもかかわらず、日本政府はあえて何事もなかったかのように「粛々と」工事を再開しようとしている。沖縄県民は完全になめられているわけだが、この程度の怒りの表出では足元を見透かされている。
人はハブを踏もうとはしないが、ミミズなら簡単に踏みつぶす。平日の昼休みに緊急集会を持つことの難しさはあるだろうが、墜落、裁判と続いてもこの程度か、となめられたら日本政府も米軍もますます図に乗って工事を強行し、演習を激化させるだろう。
集会のあと昼食をとり、宜野湾市の嘉数高台に行った。前日、墜落事故から6日目でオスプレイの訓練が再開され、宜野湾市をはじめ県内上空を飛び回っている。まさにやりたい放題だ。集会も大切だろうが、米軍基地のゲートを封鎖し、機能を停止させるほどの行動を取り組まなければ、米軍はまじめに考えようとはしない。
オスプレイ以外にも米軍のヘリが飛び回っているのだが、これらのヘリもいつ墜落するか分からない。中国の脅威を言うなら九州各県で、米軍を誘致して守ってほしい、と声を上げそうだが、そんなことは起こらない。米具基地があるが故の危険性をヤマトゥンチューはよく知っている。その上での「無関心」なのだ。
嘉数高台は沖縄戦の激戦地でもある。京都をはじめ多くの日本人、朝鮮人、沖縄人、アメリカ人がこの地で戦死した。その上を米軍機が飛び交っている。沖縄戦から71年が経っても、この地から戦争の影が消えることはない。
市街地の真ん中にある普天間基地が危険なのは言うまでもない。だからと言って辺野古に「移して」いいという話ではない。沖縄の中で米軍基地をたらい回ししても問題は解決しないのだ。沖縄人があきらめ、無力感にさいなまれて妥協すれば状況はひどくなる一方だ。
この程度の怒りしか示しきれなかったら、米軍も日本政府も何の脅威も感じない。平然と沖縄への差別政策を続けるだろう。名護市安部のオスプレイ墜落現場で米兵たちは記念写真を撮っている有り様だ。沖縄県民の抗議を鼻で笑っている米軍に脅威を覚えさせること。沖縄に必要なのはそのような取り組みである。