16日は辺野古新基地建設の埋め立て承認取り消しをめぐり、国が沖縄県を訴えた裁判の判決があり、多くの人が那覇地裁に足を運んだ。加えて前日、「往来妨害」の容疑で逮捕者が出たこともあり、砂利を積んだダンプカーと警察の車列に対する抗議行動は控えめにした。
県道70号線は、北部訓練場のメインゲートからN1表ゲートの間で抗議がないので、ダンプカーは楽々と往復して計20台分の砂利をN1に運び込んだ。現在、N1ではヘリパッドの建設予定地で木の伐採や切株の掘り起こしなどが行われていると思われる。整地が終わって着陸帯を50センチまで掘り下げてから砂利を敷き詰めていくのだが、その前にできるだけ搬入して溜めておきたいのだろ。
抗議行動があろうがあるまいが、砂利の運送と搬入作業が行われている間は、警察・機動隊による県道70号線の交通規制が行われる。メインゲート付近は愛知県警の担当だが、機動隊員の交替は割と短期間で行われているようで、新隊員は自分が仕事をしている地域の道路・交通事情をほとんど知らない。
自分は交通安全の仕事をしていると思っているのだろうが、実際は米軍基地建設の下働きとして、沖縄県民を弾圧しているだけなのだ。他府県からきている機動隊員は帰ってしまえばそれっきりだ。しかし、高江や安波の住民は新しいヘリパッドがもたらす被害に苦しめられる。地域によって濃淡はあれ、その被害は沖縄全体に及ぶ。その責任は一人ひとりの機動隊員にもある。
ダンプカーの車列が通り過ぎたあとは、N1表ゲートに向かう作業員が乗った車両への抗議行動を行った。通信機器の取り付けかメンテナンスを行う企業もあり、民間だから関係ない、と言っていたが、持参している箱には「ゴンザルベス側 下り用」と書かれていた。キャンプ・ゴンザルベスは米海兵隊の北部訓練場のことだ。
その後、作業員は沖縄防衛局の車に乗り込み、ごまかしてN1表ゲートに向かおうとした。それを見抜いて抗議していたが、最後は警察・機動隊が来て強制排除され、N1に入られた。
資材や作業員が現場に入るのを、数時間、数十分ほど遅らせても、最後は入るのだから意味があるのか、と思う人もいるかもしれない。しかし、そういう小さな遅れの積み重ねが一週間、一カ月と続くと大きな意味を持つのだ。だからこそ、毎日の抗議・阻止行動が必要となる。
夕方から名護署前に行って、前日高江で逮捕された仲間と、この日にキャンプ・シュワーブのゲート前で逮捕された仲間への激励行動を行った。女性が留置されている沖縄署の前でも抗議行動が行われている。
翁長知事の埋め立て承認取り消しを違法とした裁判結果は、国の主張を全面的に認める最悪のものだった。元より予想されたことであり、国は今後、辺野古でも高江でもかさにかかって工事を進めてくるだろう。それに対し、沖縄人一人ひとりが自ら行動で意思を示さなければ、工事を止められるはずがない。
辺野古の新基地建設、高江のヘリパッド建設を止めたいと思うのなら、ぜひ現場に来てほしい。