3月30日付日経新聞電子板に〈PAC3、首都圏・沖縄に配備開始 4月5日までに迎撃態勢〉という見出しの記事が載っている。
〈PAC3は沖縄県や首都圏の計7ヵ所に配備する。ミサイルの経路下にある沖縄県の那覇市、南城市、石垣島、宮古島のほか、経路がそれた場合に首都圏を守るため防衛省本省がある市ヶ谷、朝霞駐屯地、習志野演習場にも置く〉とある。
この記者は書いていて、自分の文章のおかしさに気づかなかったのだろうか。〈経路がそれた場合〉というが、北朝鮮が飛ばすのは風船爆弾か。沖縄から首都圏まで〈経路がそれ〉るとまじめに考えているのか。それなら、その間の九州、中国、四国、関西、東海地方はどうなるのだ。市ヶ谷、朝霞駐屯地、習志野演習場の3ヵ所にPAC3を配備したら首都圏が守れるのか?
本当は、北朝鮮の人工衛星打ち上げが行われてもなんの問題もない、と政府・防衛省が考えているのが見え見えではないか。沖縄に配備されるPAC3が実弾かどうかも疑わしい。防衛省・自衛隊関係者も、下手にPAC3を発射して役に立たないのがばれるとまずい、と内心では思っているのではないか。 しょせんはPAC3がらみの利権拡大と沖縄の自衛隊強化が狙いだとしても、PAC3を広域移動し、自衛隊員を派遣すれば金がかかる。石垣島、宮古島、与那国島だけでも500〜600人以上の自衛隊員が派遣される。輸送費、人件費など莫大な予算が浪費されるのである。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-189343-storytopic-3.html
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-03-31_31790/
石垣島に400〜500名の自衛隊員を派遣し、市役所に〈10人程度の隊員を常駐させる〉というのは、市の行政を巻き込んで有事(戦争)態勢の実戦訓練を行うということであり、将来的に陸上自衛隊の実戦部隊を配備する地ならしである。中山市長や玉津教育長のこれまでの動きを見れば、市職員、児童生徒の動員も考えられる。それにしても、与那国島では闘牛場に自衛隊員を配備するとは。いかに無理をして茶番を演じているかが分かる。
政府・防衛省が煽る「危機」の欺瞞を見抜き、沖縄全体からPAC3配備反対の声を上げましょう。