20日の朝は十六夜の月が高江の森の山の端にかかっていた。前夜は投光器を付けた警察車両が姿を見せ、夜間の警戒態勢が強化されるなか車で寝たのだが、山間部だけに夜は涼しくなり、クーラーをつけなくても寝られるので助かった。
いよいよN1ゲート前のテントや車両の強制撤去が始まるか、という緊張につつまれる高江に早朝から100名を超える人たちが集まった。県議会議員や市町村議会議員の皆さんもやってきて、議会から高江の工事強行に反対する意見書を採択していくという発言に拍手が上がった。
沖縄防衛局や警察の動きを警戒しつつ、集会が続けられた。高江住民の会の安次嶺さんが、自宅で録音したMV22オスプレイの騒音を再生してスピーカーから流した。ふだんは虫の声しか聞こえないような静かな森に、オスプレイの回転翼やエンジンの音が響く。騒音に寝られず、子どもたちが学校を休まざるを得ない切実な状況が、怒りとともに話されていた。
人口が少ないから基地を押しつけてもいい、と考える者たちは、そういう基地被害に苦しむ人たちのことを無視している。人間だけではない。ノグチゲラをはじめ多くの生物がオスプレイやヘリ、米兵の訓練によって生存を脅かされている。机上やネット上の議論ではなく、まずは高江で何が起こっているかを自分の目で確かめてほしい。
午前10時45分頃、福岡県警が新川ダム入り口で検問を始めているという連絡が入り、N1から車で移動して抗議行動を行った。前日に続き警視庁機動隊も出てきたが、路上に座り込んでの抗議にしまいには検問をあきらめ、バスに引き揚げていった。福岡県警もよく状況が分からないまま沖縄に派遣され、激しい抗議行動に直面して対応不能に陥っているようだ。
午前中の段階ではまだ強制排除の動きはない。しかし、全国から派遣された機動隊が次々と高江に配備され、装甲車が列をなして路上に並んでいる。夕方以降、人が少なくなってから投光器を使い強制排除を始めることも考えられる。時間の都合がつく人は、昼、夜となく高江に集まってほしい。