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Channel: 海鳴りの島から
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フロート撤去開始と海上パレード

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 4月30日はフロートや台船の撤去を求めて海上パレードが行われた。以前から予定されていた行動だが、偶然なのか意図的なのか、沖縄防衛局がこの日からフロートの撤去を開始し、メディアの取材も多かった。

 土曜日でカヌー27艇、抗議船4隻が大浦湾にくり出した。松田ぬ浜を出発して間もなく、キャンプ・シュワーブ内で久しぶりにクレーン車が作業を行っているのが見えた。

 海上に設置されままのフロートやオイルフェンスを撤去するためには、すでに陸揚げしているフロートなどを別の場所に移動して、置き場所を作る必要がある。トレーラーに乗せてこの付近に移動していたようだ。

 フロートなどを基地内に置いておくのは、作業再開を前提にしてのものだ。アンカーブロックを海底に置いたままにするのも同じ理由である。県の要請を受けてフロートを片付けた、と表面的に見せかけるだけで、いつでも再設置できるようにしている。これでは本当の撤去とは言えない。本来は、トレーラーに乗せたまま基地の外に搬出すべきなのだ。

 辺野古の海は珍しいくらいのべた凪だった。海底にはジュゴンの餌となる海草が生えているのが見える。埋め立て工事が断念され、静かな環境が戻れば、ジュゴンはこの浅場にも戻ってくるはずだ。そういう静かな海に早くしないといけない。

 キャンプ・シュワーブの映画館では作業が行われていたが、この日はフロート撤去の確認と海上パレードを優先し、映画館前を素通りして長島の方へ向かった。

 長崎(辺野古岬)と長島の間に設置された三重のフロートはまだそのままになっていた。先に航路付近のオイルフェンスを撤去したようで、作業船で引っ張って米軍のビーチに引き揚げているのが、遠目に確認できた。

 撤去作業の邪魔にならないようにカヌーはフロートから離れて様子を見た。カヌーの練習をしたり休憩をとり、しばらく待機したあとに海上パレードを始めるため、大浦湾に出た。

 大浦湾もこの日は波、風ともに穏やかだった。1日早い五月晴れで、平和丸に先導され、27艇のカヌーが1列になって大浦湾を進むと壮観だった。

 昨年の冬、新たに持ち込まれた大型フロートを設置するために、最大45トンの巨大なコンクリートブロックが海に投下され、大浦湾を分断して大型フロートが張り巡らされた。それを阻止するために、この海域で市民が乗ったカヌー、抗議船と海上保安庁との間で激しい攻防があった。

 海保の暴力的弾圧によってカヌーを転覆させられ、海水を飲まされたり、怪我をさせられたしたカヌーメンバーは多い。ずぶ濡れになったあと長時間GBの上に拘束され、航路の外の外洋に放置されたこともあった。海保の暴力的弾圧は、司令船を抗議船にぶつけて破壊し、保安官がラブ子号を転覆させるまでにエスカレートしていった。

 それに屈することなく、体を張って闘い続けたからこそ、工事中断を勝ち取り、穏やかな海を取り戻すことができた。まだ工事は中断しただけで、これから先の展開は予断を許さないが、まずはこの1年8か月の間、辺野古の海、大浦湾でカヌーを漕ぎ、船に乗って抗議・阻止行動を取り組んできたすべての皆さんと、自由に海上パレードができることの意義を確認したい。

 辺野古弾薬庫近くの第3ゲートに、ゲート前で抗議行動を行っている皆さんが集まり、声援を送ってくれた。沖縄県警と警視庁の機動隊によるゲート前での弾圧は、けが人や逮捕者を続出させ、海よりも酷いものだった。そういう中で、ゲートから入る海保の車両を止めようと、夜も明けないうちから行動が行われていた。海で行動しているものとして、どれだけ有り難かったことか。

 海での行動は大部分が、陸からは見えないが署で行われている。メディアの取材も限られているので、多くは知られることもない。それだけに陸から見える場所で声援を受けるのは、海とゲート前の連帯を実感できる貴重な時間だ。 

 カヌーメンバーはパドルをあげて第3ゲートからの声援に応えた。その後、陸にいる沖縄防衛局員や米軍の警備員などに、フロートやアンカーブロック、台船などをさっさと撤去し、大浦湾を元の状態に戻すように、抗議のシュプレヒコールを行った。

 

 何度もこのブログで書いているように、フロートやオイルフェンスの撤去は手始めに過ぎない。日本政府・沖縄防衛局は、海底に沈めたアンカー用のコンクリートブロック、隣の浜に設けた仮設道路の鉄板や根固め用石材、長島近くに設置したままのガイドパイプ、そして2基のスパッド台船と3隻のクレーン付き台船などをすべて撤去し、大浦湾を元の状態に戻さなければならない。そのうえで臨時制限水域をすみやかに撤廃すべきだ。

 米軍のリゾートビーチの前で抗議行動を行った後、平和丸に先導されて1列に海上パレードをして戻った。ガイドパイプを回って長島の間を抜け、平島で休憩をとってから松田ぬ浜に戻った。この間、海保は遠巻きに見ているだけだった。

 大浦湾に出た回数が少ないメンバーもいたが、全員が最後まで整然と漕ぎ切った。ゴールデンウィーク中も海上での作業があるので、カヌーと抗議船に海上行動は続けられる。この期間なら時間が取れるという皆さんに、初心者練習を含めてぜひカヌーに乗ってほしい。

 


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