3月29日、安全保障関連法が施行された。自衛隊が世界各地で米軍とともに殺戮と破壊に手を染める。そういう可能性が現実のものとなるかもしれない。だが、沖縄から見れば、これまでも日本は米軍基地を提供することで、米国の侵略戦争に手を貸し、支えてきたのだ。
その犯罪性と加害性を自覚することから、辺野古新基地建設反対の取り組みも進めなければならない。殺される側からすれば、米軍基地をどこに移すかという議論など不毛で欺瞞に満ちたものだろう。そして、殺される側からすれば自衛隊が米軍とともに行った攻撃を黙認することはない。沖縄の基地も反撃の対象となる。基地あるが故の危険に沖縄県民はさらされる。
この日はカヌー9艇で松田ぬ浜を出発し長崎を目指した。ほかに3艇が初心者練習を行った。行きと帰りに2度、映画館の前で浜に寄り作業に抗議した。屋上の防水工事をやっているようだが、この映画館も新基地建設の範囲内にある施設であり、解体工事の対象となっている。国と沖縄県の間で和解がなされた今、いっさいの作業を止めるべきだ。
長崎の岩場からフロートを越え、海岸沿いに移動しながら陸上での作業がないか確認した。前日28日にゲートからトラックやトレーラー車が入り、3月の年度末で工期が終了した現場から重機や廃棄物などを出したという。作業ヤード建設現場にあったバックホーが見えなくなっていたので搬出されたのかもしれない。作業などの動きはなかった。
スパッド台船の様子を見てから美謝川の河口付近を見た。美謝川は海への注ぎ口は幅が狭まっているが、数メートル先に行くと池のように広がって奥に続いている。両岸にはアダンが茂り自然の姿を保っている。このような川を埋め立て、大浦湾の生態系破壊することは許されない。
海上保安庁の陸揚げされた浮桟橋の前に作業員が2人座っていた。カヌーが離れてからクレーン車のブームが上がっていたが、作業内容は確認できず。
クレーン付き台船についている作業に船員が2人乗っていて、オレンジの給水タンクに水を入れていた。クレーン付き台船に水を補充したのだろう。年度を越えて居座るつもりのようだが、大浦湾から出ていくように追及を強化したい。
仮設道路は昨年から中断したままとなっている。バックホーの後ろ側にもオイルフェンスが見え、浜に並べられたフロートは奥に保管場所が確保できないようだ。砂が流れて露出した根固め用袋材を含めて、台風が直撃したときにどうなるのだろうか。
3隻のクレーン付き台船を回って様子を見た。特に変化はないが、緑のクレーン付き台船(第八十八福丸)では作業員が海底ボーリング用の台座の錆落としを行っていた。台座は近くで見るとかなり錆びている。
作業和船が1隻出てオイルフェンスの点検を行っていた。「美ら海」が近づいて抗議すると、避けるように走りすぎた。
長島の近くに置かれたままのガイドパイプの海面下の様子を撮った。海中で4本のワイヤーローが張られアンカーに固定されているようだ。
天気が良かったので平島で休憩をとって松田ぬ浜に戻った。この海の美しさを見れば、埋め立てて軍事基地を作るという計画の愚劣さを実感するだろう。
この海を守り、沖縄の基地強化を許したくないという人は、ぜひカヌーチームに参加してほしい。安倍政権が戦争への道を進もうとしている今、勇気を出して行動することが問われている。