6月17日午後6時から那覇市の教育福祉会館で、〈県による「慰安婦」「住民虐殺」の記述削除についての緊急学習会〉が開かれた。250名の参加があり、この問題に対する関心の高さと、仲井真県当局の姿勢に対する怒り、批判が示されていた。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-188791-storytopic-1.html
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-03-18_31204/
集会で決議されたアピールを以下に紹介したい。
第32軍司令部壕付近に設置される予定の説明板の文面から、「住民虐殺」「慰安婦」の部分が削除されようとしているとの報道がありました。県の担当者も同席した検討委員会の議論を経て全会一致で決定された最終案を、同委員会への連絡もないまま県が一方的に削除を決定したという報道でした。
沖縄戦の実相を正しく後世に伝えていくため、沖縄戦に関する学習、平和ガイドなどの活動をしてきた私たちは、県によるこの決定に抗議するとともに、専門家で構成されている検討委員会の議論を尊重することを求めます。
第32軍司令部壕とその周辺における「慰安婦」の存在や「住民虐殺」の事実は多くの証言や史料からも明かです。特に、これらの事実は長年の沖縄戦研究によって明らかにされてきたものです。これらの事実を削除することは、これまで証言されてきた戦争体験者の思いや沖縄戦研究の成果を否定するもので、到底許されるものではありません。どのような議論がなされ削除を決定したかという事について県民への説明もありませんでした。県が検討委員会の専門家の議論を軽視していると思われても仕方ありません。1999年、多くの県民の怒りをかった沖縄県平和祈念資料館の展示内容改ざん問題の経過と酷似しています。
第32軍司令部壕は沖縄戦の本質を学ぶことのできる重要な場所です。その司令部壕に設置される説明板だからこそ、十分な議論を尽くし、その上で文面が決定されることを要求します。
沖縄戦を後世に正しく伝えるためにも、この重大な問題について県の独断ではなく、検討委員会での議論とそれを踏まえた適切な決定がなされることを求めます。
2012年3月17日
県による「慰安婦」「住民虐殺」の記述削除についての緊急学習会参加者一同