28日は今年最後の海上行動が行われた。朝から雨模様の天気だったが、午前9時過ぎに松田ぬ浜をカヌー13艇で出発した。長崎(辺野古崎)の岩場に入って、海岸部の作業がないのを確認してから長島の間を抜け、大浦湾に出た。
この日は仕事納めで、陸上でも海上でも作業は行われていなかった。何時もはクレーン車やバックホーが動いている長崎(辺野古崎)周辺も静かで、スパッド台船の上にも作業員の姿はない。作業船だけでなく沖縄防衛局に雇われた警戒船の姿もなかった。
緑のクレーン付き台船は前日の午後、長島近くから浜寄りに移動している。海上にはボーリング調査用の機材が残されているので、調査を年内に終えることはできなかったようだ。スパッド台船も前日、日曜出勤してまで調査を行っていたが終了できていない。スパッド台船は長島近くにおかれたままで、掘削棒も海に入っている。
本来なら、海底ボーリング調査は昨年11月末に終わる予定だったが、来年3月まで期限を延ばしている。大幅な作業の遅れは埋め立て工事の遅れをもたらすだけでなく、米国政府に悪い印象を与え、沖縄基地に対する分析、判断にも影響を及ぼしていく。
辺野古新基地建設が困難であることを米国政府に認識させるためにも、海底ボーリング調査を2015年中に終わらせなかったことは意義がある。政府が「本体工事開始」を打ち出しても、まだ作業ヤードの整備や仮設道路の準備をやっているだけであり、埋め立てが始まったかのような印象操作は破綻している。
汚濁防止用のオイルフェンスを張るためのコンクリートブロックも、年内に海中投入することができなかった。年が明ければ宜野湾市長選挙がまじかだ。工事を強行して辺野古新基地建設が焦点化すれば、現職の佐喜真氏に不利となる。政府・防衛省は焦りを募らせても、身動きが取れなくなるだろう。
大浦湾で抗議船とともにスパッド台船やクレーン付き台船の様子を確認したあと、唯一残っている青いクレーン付き台船をめざしてカヌーを漕いだ。この台船は船首と船尾にフロートをつなぎ、アンカーの代わりを果たしている。
フロートの中に入っているわけではないが、臨時制限水域内だとして海保のゴムボートが拘束を始めた。別にボーリング調査などの作業をやっているわけでもないのに、海保の余裕のない対応を見ていると、とにかくカヌーと抗議船を抑え込め、と上から指示が出ているのだろう。
2015年の海上行動はこの日で終了。午後からはさらに天候が悪化し、波も荒れるとの予報だったので、海保に松田の浜まで送られたところで行動を終えた。