内閣総理大臣 安倍晋三様
作家 百田尚樹様
自民党「文化芸術懇話会」代表 木原稔様
“表現の自由と市民の知る権利を守る”
監視社会ならん!市民ネット沖縄
代表世話人 上江洲由美子
百田尚樹氏の沖縄蔑視発言に抗議し安倍政権の言論統制を許さない声明
自民党の会合(6月25日)で作家の百田尚樹氏が「沖縄の2紙は潰さないといけない」などと発言したことに強い危機感と憤りを禁じ得ません。この会合は「文化芸術懇話会」といい、安倍晋三首相に近い自民党の若手議員が憲法改正を推進するための勉強会で安倍首相の「応援団」だと報道されています。その中で百田氏は「普天間飛行場は、もともと田んぼの中にあった。何もなかった。基地の周りに行けば商売になると人が住みだした」と発言しました。無知をさらけ出した発言と言われますが、調べればわかること、著名作家が虚偽を拡散すれば真実になるというナチスまがいの手法を意図したのではないかと疑わざるを得ません。
出席した議員から「マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなることが一番だ。安倍首相は言えないが、文化人、民間人が経団連に働きかけてほしい」と発言しています。これはすべてのマスコミに対する挑戦ではないでしょうか。このような自らの足元の議員からの発言にたいし、安倍首相の謝罪の言葉はありません。ここに、言論を統制し、安保法制=「戦争法」を成立させ、戦争への道をまっしぐらに進む安倍政権の本質が露わになったといわなければなりません。
県民の立場に立って、沖縄の実態を報道、安倍政権の政策を批判している「琉球新報」「沖縄タイムス」の沖縄県の2紙に対し、最近、ネトウヨ(ネット右翼)の攻撃が増えていますが、今回の問題は、それと同質のものと言わざるを得ません。
私たちは、決して忘れてはなりません。戦時中、沖縄では、琉球新報、沖縄朝日新聞、沖縄日報3紙が、「沖縄新報」1紙に統合され、報道が統制されました。対馬丸が撃沈され、多くの学童が犠牲になった事件でさえ報道が禁じられ、そのため犠牲がさらに拡大したことを。大本営発表による報道によって沖縄県民は、戦闘に巻き込まれ、県民の4分の1が命を失うという取り返しのつかない悲劇を招いたことを。
安倍政権は、「秘密保護法」「マイナンバー法」を制定、「盗聴法」の改悪、「共謀罪」の新設をやろうとしています。国民の個人情報を一括管理し、国民に知られてはまずい情報を秘密にし、言論統制をつよめる安倍政権を許してはならないと思います。
今回の自民党の「文化芸術懇話会」での百田尚樹氏の沖縄蔑視の発言に抗議し、安倍政権の言論統制を許さず、闘うことを表明します。