3日は海が荒れて海底ボーリング調査は行われなかった。海上抗議行動も中止となり、カヌーチームは希望者7名で練習を行った。松田ぬ浜を出て辺野古崎までは風、波ともに大したことなかったが、辺野古崎の岩場と長島の間は流れが速く、波も適度に荒れていて、いい練習になった。フロート沿いに長島の近くまで漕いでから、波に逆らって平島に向かった。
それにしても、沖の方から辺野古崎と長島の間を抜けて大浦湾に流れ込んでいく潮の速さを体感すると、埋め立てによってこの流れがさえぎられたときに生じる悪影響を考えずにいられない。人間なら大動脈の流れを止められるようなものだ。辺野古崎近くでは施設の解体と作業ヤードの整備作業が連日進められている。そのすぐ近くの海では海亀が泳いでいた。
平島で休憩をとったあと、平島のまわりを2周した。日差しが強く、熱さ・日焼け対策が必要になったが、海水はまだ冷たい。それでも冬場の寒さをのりこえて、カヌーを漕ぐにはいい季節になった。
キャンプ・シュワブと東側海域上空を、米海兵隊普天間基地所属のAH-1WスーパーコブラとUH-1Nツインヒューイと思われるヘリが2機、旋回飛行をくり返していて、辺野古の浜に戻るカヌーの上をヘリの影が何度も通り過ぎた。
菅官房長官が明日4日に来沖し、5日に翁長知事と会談する。菅官房長官は普天間基地の「危険性の除去」をしきりに口にするが、それでは仲井真前知事と安倍首相の間で交わされた「普天間基地の5年以内の運用停止」という約束を実現するため、菅氏はどのような努力をしてきたのか。米国とどのように交渉してきたのか。普天間基地所属機の受け入れ先を選定する作業を行ってきたのか。
菅氏は沖縄基地負担軽減担当大臣でもある。そういう地位にあるなら、翁長知事誕生直後に会談を持ち、基地負担軽減について議論すべきであった。にもかかわらず、ここまで翁長知事との面会を回避し続けてきたが、その非常識さと傲慢さに批判が高まった。世論調査の結果を見て統一地方選挙への影響を考え、日米首脳会談にむけてのアリバイ作りもかねて来沖を決定したのだろう。同時に、西普天間住宅地区の返還式をメディアに大きく取り上げさせ、「負担軽減」をアピールすることも狙っている。
そういう菅氏に対して、改めて5年以内の運用停止はどうなっているかを、翁長知事やメディアは問いただしてほしい。具体的な努力は何もしておらず、それが安倍首相と仲井真前知事のただの口約束にすぎなかったなら、その欺瞞性を追及すべきだ。県民を欺きつつなされた仲井真前知事の埋め立て承認の不当性がいっそう明らかとなる。
菅官房長官が沖縄県民のために本気で「基地負担の軽減」や普天間基地の「危険性の除去」を考えているなら、5年以内の運用停止を実現するため全力を尽くすだろう。それをしないなら、菅氏の口にする「負担軽減」「危険性の除去」は、まさに欺瞞的なものだ。5年以内の運用停止こそが「危険性除去」の一番の近道であり、それが実現されるなら、辺野古に新たな基地を造る必要もない。
カヌーを漕いで辺野古の海を見ていると、政治家たちの言葉の軽さにつくづくうんざりさせられる。東京で権謀術数に明け暮れている政治家や官僚たちには、沖縄の海の価値などどうでもいいのだろう。米国に媚びへつらい、米国議会で演説させてもらう手土産の一つとして辺野古の作業を強行する。そういう安倍や菅の思惑を叩きつぶしましょう。