20日はミーティングや瀬嵩浜集会の準備などのため、カヌーによる海上行動は行われなかったので、午前、午後とキャンプ・シュワブ・ゲート前での抗議行動に参加した。午前中、海上保安庁の職員が乗った車がゲート内に入ろうとするのに抗議した男性1人が、公務執行妨害の疑いで拘束された。県警機動隊が市民を強制排除する際、もみ合いになる中で意図せずして起こったことであり、ゲート前に集まった市民が1時間ほど強く抗議をつづけ、ゲート内から解放させた。
テントのそばで集会を開きつつ、定期的にゲート前でのデモやシュプレヒコールが行われたが、午後1時10分頃、海保の職員が乗った車が1台ゲートから出ようとした。ゲート前で警戒にあたっていたメンバーが声をかけ、集会中の市民が道路を渡って集まったので、車は引き返していった。
1時57分頃、今度は海保の車3台が連なって出ようとした。同じようにゲート前に市民が集まり、海上での暴力行為を謝罪しろ、という声があがった。しばらく抗議が続き、県警機動隊が出てきて市民を強制排除し、海保の車を出した。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-240600-storytopic-271.html
キャンプ・シュワブのゲートに設置された監視カメラの映像が流出した問題で、在沖米海兵隊のロバート・エルドリッジ政務外交部次長が解任処分されたことが、県内紙で報じられている。沖縄のネット右翼を使って映像をインターネットで流し、情報工作をやったことで処分を受けたわけだが、監視カメラの映像は民間企業のものでも厳重に管理される。ましてや軍事基地のそれは、撮影された内容はもとより、カメラの性能や撮影可能範囲などの情報も機密事項となる。それを流出させるのだから、米軍の管理態勢のずさんさと規律の乱れがよく分かる。
米兵が基地内や車内から撮影したと思われる市民の写真や動画は、オスプレイファンクラブの手登根安則がこれまで何度もインターネットで流している。これらもエルドリッジによって渡された可能性は大きい。米軍幹部と沖縄のネット右翼の癒着ぶりは、日本復帰前のCIC(米陸軍対敵諜報部)による住民工作を思わせる。米軍の手先となって、新基地建設に反対する市民や団体、メディアに関する誹謗・中傷をくり返し、デマを流して信用を落とそうと図る沖縄のネット右翼たちは、現代版のCICと言っていい。
この問題はエルドリッジの処分だけですまされる問題ではない。監視カメラの映像の管理さえろくにできない組織にカメラを設置する資格はない。もとよりキャンプ・シュワブ・ゲートの監視カメラは、新基地建設に抗議する市民を弾圧するために設置されたものであり、即刻撤去すべきものだ。
また、極右思想を持った民間グループを使って米軍が世論工作を図っている問題は、日本のアジア侵略に関する歴史認識の問題とも関わってくる。エルドリッジのような人物を在沖海兵隊の幹部に据えていたオバマ政権が、安倍首相の「戦後70年談話」についてとやかく言えるのだろうか。
一見更迭されたように見えて、エルドリッジが別の形で沖縄に対する情報工作で動かないかも含めて、この問題はさらなる追及が必要だ。
朝、キャンプ・シュワブのプライベートビーチ前にあった2隻のクレーン付大型台船が、午後4時半頃見ると沖の方に移動していた。20日の海上で作業の様子は分からないが、波がおさまれば海底ボーリング調査は再開される。21日は瀬嵩の浜で抗議集会が開かれる。多くの県民が参加して大浦湾の現状を自分の目で確かめ、抗議の声を上げてほしい。