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Channel: 海鳴りの島から
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日米開戦から73年と県知事交代、そして特定秘密保護法施行

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 12月8日は真珠湾攻撃から73年目だった。6日に県立平和祈念資料館のシンポジウムで話されていた沖縄系2世の比嘉武二郎さんは、真珠湾攻撃の日のことも話していた。比嘉さんをはじめ同時代を生きた日米双方の人々にとって運命を変えた1日となった。

https://www.youtube.com/watch?v=FjXtX_72-O8&feature=youtu.be

 日本でも沖縄でも奇襲の成功と大きな戦果に湧いた。日中戦争の長期化と米英諸国の圧力、経済不況などで不満と閉塞感を抱いていた人々は快哉を叫び、晴れ晴れとした気持ちで、日本が欧米列強をアジアから駆逐し、大東亜共栄圏を確立し得るかのような幻想に酔った。日米間の資源と工業力の格差の大きさに、いずれは形勢が逆転すると考えていた一部の人たちも、自らの考えを表立って公言できる状況ではなかった。

 仲井真知事の離任式が9日に県庁で行われた。辺野古工法変更に抗議する住民が県庁ロビーで仲井真知事糾弾の声を上げ、怒号と拍手が交錯するなか仲井真知事は県庁を後にした。4年前の県知事選挙で打ち出した「県外移設」の公約を破棄し、県民を欺いたことへの反省も謝罪も最後まで無かった。すべては事務処理上の問題であるかのように話す口振りは、政府の指示するがままに動く官僚の答弁そのものであり、翁長氏との10万票の大差に示された民意を直視する誠意も勇気もない裸の王様の醜態を見せ続けた。

 明日10日に翁長新県政がスタートする。同時に特定秘密保護法も施行される。14日の衆議院選挙が終われば、安倍政権は辺野古新基地建設、高江ヘリパッド建設にむけ作業を再開するだろう。名護市長選挙、名護市議会議員選挙、沖縄県知事選挙、そして衆議院選挙でどのような結果が示されようと、政府の望むものでなければ無視し、民意を踏みにじる。名護市民、沖縄県民がどうあがいても政府のやることは止められない、というあきらめを作り出し、無力感を植えつけるのが政府の狙いだ。そこには民主主義の精神のかけらもない。

 辺野古新基地建設反対を打ち出している翁長新県政に対し、政府は懐柔、恫喝、瞞着、取り引きなど多様な手法で迫ってくるだろう。そして、県内メディアや新基地建設反対運動に対しては、特定秘密保護法が新たな弾圧の手段として利用される。

 全国メディアは、衆議院選挙で自民党単独で300議席超の圧勝もあり得ると報じている。ウチナーとヤマトゥの状況はかくも乖離し、断絶は深まるばかりだ。沖縄で今、保守も革新もないとオール沖縄が強調されるのは、たんなる選挙戦術にとどまらない意味を持つ。沖縄が一つにまとまらなければ、日本のファシズム化の波に飲み込まれ、沖縄が基地負担だけでなく再び戦争の犠牲を強いられかねない、という強い危機感がそこにはある。

 戦争体験者は誰もが証言の締めくくりに、戦争の苦しみを子や孫には味わわせたくない、戦争を二度と起こしてはいけない、と話す。証言を聴いたものはその願いに応えなければならない。沖縄人にとって戦争は過去のものではない。「本土防衛」のために沖縄を「捨て石」にし、犠牲を強要する意思は、日本人の多数の中に変わらずにある。沖縄人にとって危険なのは中国よりもそのような日本人である。

 


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