朝、辺野古の浜に出ると椰子の実が落ちていた。外皮は剥がれているが、手に持って振るとタプタプ音がして、中の液が揺れた。黒潮に乗って漂着したのだろう。9月も終わりに近く、数日前の新聞には、座間味島でアカハラダカの渡りが見られたという記事が載っていた。カヌーが置かれた周辺の森では、クロイワツクツクがジーワジーワと鳴いている。やがてオオシマゼミも鳴き始めるだろう。ヤンバルも日に日に秋の気配が強まっている。
29日は午前中、辺野古の浜を漕ぎ出して6番航路標識をまわり、平島に向かった。まだ馴れていないメンバーはフロート沿いに平島を目ざし、満潮で浜に波が打ち寄せていたので、平島近くの海上で合流した。その後、波の様子を見ながら平島と長島の間を抜けた。リーフの縁はかなり白波が立っていたが、それを避けながら大浦湾に出た。こちらも波が高かったので、緑の航路標識をまわって長島の間を抜け、リーフ内に戻った。
当初は瀬嵩の浜まで漕ぐ予定だったが、大浦湾の波が高かったので、フロート沿いに辺野古の浜に戻った。海上保安庁はゴムボート1艘に2人が乗ってやって来たが、ちり紙交換のようなのんびりした口調で注意をくり返すだけだった。スパッド台船がないとまったくやる気がない。海保が辺野古にいるのは新基地建設のためであり、海域の安全確保は反対運動への弾圧の口実に過ぎないことをよく示している。
毎週月曜日は、「建白書島ぐるみ会議」の貸し切りバスで抗議行動参加者がやってくる。辺野古の浜でカヌー隊のメンバーから、最近の状況やカヌー隊の取り組みについて説明を受けていた。
今は静かな辺野古の海だが、深場での海底ボーリング調査が始まれば、再び海保の船やボートがぞろぞろ出てくるだろう。県民が自ら足を運んで海保の動きを注視することが、暴力的弾圧を抑止する力となる。大浦湾での海上抗議行動に対しては、瀬嵩の浜から監視・抗議する予定もあるという。ぜひ引き続き大勢の皆さんがバスで参加してほしい。
テント村で昼食をとったあと、集会が開かれたので参加した。私も求められてあいさつした。島ぐるみ会議の皆さんは1時にキャンプ・シュワブ・ゲート前に移動した。
カヌー隊は午後は、練習その他それぞれの自由行動となった。海底ボーリング調査に向けた次の動きがあるまで練習が続くが、漕ぐ力を向上させないと大浦湾での本番に対応できない。練習内容は個々の力に応じて分けられているので、積極的に参加してほしい。