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「番号制度シンポジウムin沖縄」住民発言1〜3

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 1月29日に行われた「番号制度シンポジウムin沖縄」で、会場の参加者から出た発言を紹介したい。発言者は12名だったが、2回発言した人が二人いたので、【住民発言】は14まである。本来は質問に対する応答も含めて、意見交換の全体を載せたいのだが、長時間にわたるうえに録音状態が良くなく、すべてテープ起こしする余裕がない。
 内閣府のホームページで概要と議事録が公開されるが、会場との意見交換は掲載がだいぶ遅れるうえ、発言のすべてが載るとは限らないので、まずは住民発言だけでも優先して紹介しておきたい。意味が聞き取れなかったところは、発言者には申し訳ないが、…一部不明…とさせてもらった。
 シンポジウムは今後も全国各地で開催される。おとなしく質問だけをするのではなく、自分の意見をどんどん述べた方がいい。今回、1時間延長されたのは、会場からの発言者の気迫が、そうせざるを得ない状況を作りだしたのだと思う。共通番号制度の問題点が多様な視点から論じられ、批判されているので参考にしてほしい。

「番号制シンポジウムin沖縄」
日時:1月29日(日)午後1時30分〜5時
場所:那覇市民会館中ホール
主催:番号制度創設推進本部
共催:琉球新報社、沖縄タイムス社、全国地方新聞社連合会

プログラム(5)参加者との質疑応答・意見交換(「国民対話」)

【住民発言1】私は浦添市から来ました***と申します。住基ネットに反対する市民運動をやってきたひとりなんですけども、住基ネットが稼働した2002年から今年まで、毎年住基ネットの普及状況について調査してきました。前川先生が住基ネットカードの普及についていろいろ提言なさってるんですけども、10年経った今もですね、まだ4%なんですよ。10年経って4%しか普及していません。それほど住民にとって必要とされていないということなんですよ。
 いろいろ提言されたことかもしれませんけども、私が住んでいる浦添市では、住基カードを普及するということでですね、政府から3000万円の補助を受けてですね、どういうことをしたかといいますと、地域通貨カードのですね、ポイントの、お財布替わりに住基カードを使うという実証実験をしたんですね。それが全然効果が上がっていないということで、私たちは3000万円を使うのは無駄じゃないか、やめてください、ということで市にお願いに行ったんですよ。
 そしたら市は、いやこれは市の財政からは1銭も出ません。結果が成功であろうが不成功であろうが、それは責任は負わないことになっています。こういうふうに言われてですね、市はやってしまったんですけども、先ほど前川先生が、国の赤字財政は国民の問題でもある、とおっしゃいましたね。私たちは、そういう赤字を作らないでください、とお願いしてもやってしまったんですよ。
 先ほど、三宅先生が指摘されましたパスポートの問題もですね、あれは1冊に1800万円もかかったんですね。皆さんご存じですか?これはもう仕分けで廃止になりましたよね。でもそういうことを前川先生は、皆さんにお話ししてくださらないものだから、なんか住基ネットが効果があったようなね、そういうふうなことを思ってしまうんですよ。
 ですから、そのことの政府としての反省、そういうことをきちんとやって下さらないのに、今また番号制度と言われるとですね、とっても納得しがたいな、というふうに私は思ってるんですね。
 長くなりますので質問をしますけども、この番号カードですね、社会保障の広域事項というところの…一部不明…なかで、市町村は、当該市町村が備える住民基本台帳に記録されているものに、そのものの申請によりカードを交付する、となっていますけども、これも住基カードみたいに、申請する、選択ですか?その人の選択によってカードを交付するというものでしょうか?
 それから、番号制度を導入するには、ものすごい経費がかかると思うんですよね。それを設計して、制度化して、普及していく。それを運営する場合にも、ものすごいお金がかかると思うんですよね。
 それから、漏洩の問題とか、成りすましの問題とか、いろいろ被害があると思います。セキュリティが高いといわれてるソニーでも、米国の…一部不明…というですか、漏洩がありましたし、韓国でも住民登録番号が3500人も漏洩してるんですよね。そういうふうになったときの補償とかも全部含めてですね、考えた場合に、費用対効果はどのように計算されて…一部不明…か、ということ。
 それから条例で決まってくると先ほど説明がありましたけども、これは住基ネットのネットワークを使うというお話も出ていますけども、そうなんでしょうか?ということをお伺いします。

【住民発言2】精神科でクリニックに勤務しています。三宅先生が医療関係者もパネリストに入っているべきだとおっしゃいましたが、大いにそうだと思います。いま医療現場でどういうことが起こっているか、という現状をふまえてみれば、こういう共通番号制が導入されることによって、精神科の患者さんの心がどれだけ痛むだろうかということが心配で、それでここに来させていただきました。
 いま患者さんたちは自分が病気であるということを、この日本の国では精神病に対して偏見が強いために、病気であることをひた隠しにしながら生きておられる方が、まだたくさんおられます。そういう方に共通番号が付いたとしたら、その方の生きる道というのは、とても閉ざされて暗い道になるとしか考えられません。
 それで、この要項を見れば「真に手をさしのべるべき人に手をさしのべるために」というような表現がされてますけど、まず「真に手をさしのべる」方というのは、私の立場では精神障害者や…一部不明…方だと思いますけど、この定義すらありません。そんな曖昧なもので、しかもいまの既存の制度や法律を改修…一部不明…すればできることを、なんで共通番号を導入しなければできないとおっしゃるのか。そこが分かりません。それをきちっと説明していただきたいと思います。
 それから、総合合算制度の導入について、いいことばっかりお話なさいましたけども、現実日々感じることは、それが導入されれば公的給付の縮小や、医療費の抑制、医療の市場化につながっていくのではないかというふうに心配しております。それについて、そういうのはあなたの危惧にすぎませんよ、という確証の言葉がほしいと思います。
 3番目ですけど、峰崎先生がいらしてますので、…一部不明…ことも絆だとか、日本人の国民性に頼るみたいな、情緒的なお話をなさいましたけども、法律が情緒的に作られるということに、唖然とするしかなかったですね。そして、東京のシンポジウムでもお答えになってますけども、政府が替われば方法も変わっていくだろう、これは政治的なも問題であるとおっしゃってますけど、憲法によれば、国民は全て文化的で最低限度の生活を営む権利が規定されてますよね、25条に。それが政府がこういう考え方をすれば、切り捨てられてもかまわない、と言っているようにしか私には聞こえません。
 向井先生にしても、峰崎先生にしても、国家公務員でいらっしゃいますよね。そうすれば憲法99条に憲法を尊重し、擁護の義務がおありです。そして、法律というものより憲法の方が上位概念なわけです。だから、こういう法律を作られるとき、もっと憲法をきちっとふまえて、もっと弱者の立場でね、ものを考えていただきたいと思います。以上、私の意見です。

【住民発言3】***と言います。今日、会場に来て驚いたのはですね、パネリストの構成です。反対される方は三宅さんひとりで、残り4名は推進側ですよね。こういう推進ありきの構成自体が、世間では”やらせ”と言うんじゃないですか。この持ち方自体が(拍手)。
 それとですね、司会は共同通信から出てますけども、琉球新報と沖縄タイムスが共催しています。報道機関としてこんなあり方で、報道の客観性を守ってるんですか?僕は沖縄のマスコミは恥ずかしいと感じてます。
 それと、最初の内閣府のビデオの中でですね、震災に関して、こんなことをすれば災害時に役に立つかのように言ってました。私はですね、3・11のあとに被災地を回って、短い期間だけどボランティアもしました。被災者とか地元のボランティアの人の話も聞きましたけど、災害時に必要なのは、本人確認じゃなくして、まず助けることなんですよ。困っている人がいたら無条件に手を差しのべる。本人確認なんてずっとあとの話です。
 それと現場ではですね、パソコンも使えない、携帯も使えない、電気も通じない、情報が入ってこない。そういう中で力となるのは、地域のコミュニティの力なんですよ。デジタルじゃなくてアナログの力が、人を助ける力になっているんですね。先ほどから言ってるような番号制を導入したら、災害に役立つというのは幻想であって、政府が3・11の後にとってつけた理由じゃないかと感じます。
 それと前川さんですかね、パンフに書かれている文章の中に「正直者であれば、反対する理由はなく、むしろ、税負担を軽くすると同時に、公平で公正な社会にするため、積極的に賛成するべき」だと。2チャンネルで炎上するのは当たり前ですよ。本当に失礼だと思いますね、国民に対して。そういう上から目線でものを言う人がですね、講演して、推進しているかと思うと怖いですね。
 いま、あなたは頭を抱えてますけどね、…一部不明…してください、ものの見方を。反対する人がいるのは健全な社会だからです。日本は独裁国家でもなければ全体主義国家でもない(拍手)、ちょっと話を聞いてください、反対する人の話も聞いてください。反対があるのはいいことですよ。反対する人があたかも犯罪者予備軍であるかのように言うこと自体が、本当に偏った姿勢で怖いと思います。
 時間が長くなったので最後に聞きますけども、峰崎さんに伺います。2月14日にこの法案をですね、国会に提出するとおっしゃってました。8割の人がですね、ほとんどまだこの情報を知らない中で、見切り発車なさるんですか?
 それともう1点、三宅弁護士に伺いたいんですけども、今回の番号制度ではマイ・ポータルに事後的にアクセスの履歴が記載されれば、それが何かプライバシーを保護したかのように言ってますけども、本来自己管理は事前にですね、自分の情報をコントロールできなければ意味がないんじゃないでしょうか。後からですね、こう使いましたと言われても、これは本来の自己管理じゃないと思います。
 今回の番号制度は広く民間に利用されるといわれてますけども、そうなると限りなくですね、個人情報が流出する可能性が危惧されます。プライバシーの自己管理というのはどうあるべきかというのを、三宅弁護士に伺いたいと思います。


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