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Channel: 海鳴りの島から
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キャンプ・シュワブゲート前の鉄板は〈泥引き防止装置〉という沖縄防衛局の大嘘。

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 8月1日(金)は台風12号の影響のため、キャンプ・シュワブがある名護市は土砂降りの雨となった。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=78565

 それで8月2日はキャンプ・シュワブに出入りする工事車両のタイヤに注目した。沖縄防衛局は、「殺人鉄板」とも称される危険な鉄板を〈泥引き防止装置〉としている。下の写真は、同じく沖縄防衛局が設置した仮設ゲートをトンブロックに固定した単管に付けられたものだ。

 

 7月29日に沖縄防衛局の現場責任者に、山形鋼(アングル)※を溶接した危険な鉄板を敷いた理由を訊ねた。その時、現場責任者が語っていたのは、鉄板は基地から出る工事車両のタイヤに付着した泥や砂利を落とし、国道に流出しないようにするため、ということだった。それなら、実際に泥や砂利がタイヤに付着した工事車両があるのかどうか確かめるには、2日は格好の条件だった。前日大雨が降り、タイヤが泥で汚れる可能性が高かったからだ。

 しかし、上の写真を見れば明らかなように、午前中見ている限り、泥や砂利が付着したまま出入りしている工事車両は1台もなかった。前日大雨が降ったにもかかわらずこの結果だ。キャンプ・シュワブ内の道路はきれいにアスファルト舗装されている。赤土が露出してどろどろになった場所に工事車両が入ることもほとんどないはずだ。仮にあったとしたら、現場で泥を洗い落としてゲートまで来るだろう。〈泥引き防止〉が必要なのはキャンプ・シュワブ内の道路も同じなのだから。

 この事実一つを見ても、この危険な鉄板の設置理由として掲げられている〈泥引き防止〉が、まったくの大嘘だということが分かる。大雨の直後でさえ、泥や砂利がタイヤに付着した車両の出入りはないのだ。ゲート前に〈泥引き防止装置〉を設置しなければならない必要や理由はない。それどころか、沖縄防衛局は砂利の落下や拡散にそもそも関心などありはしないのだ。

 2日の朝、キャンプ・シュワブのゲート前に行ったとき、危険な鉄板のすぐ前、ALSOKの警備員たちが立っている足下に、砂利がこぼれているのが目にとまった。最初は、鉄板が段差となっているのでダンプカーの車体が揺れて、荷台から砂利がこぼれ落ちたのかと思った。しかし、しばらく様子を見ているとそうではないのが分かった。

https://www.youtube.com/watch?v=qTPNGHX5DmY&feature=youtu.be

 ALSOKは台風対策を口実に、前日から仮設ゲートに重しとして土のうを乗せたり、車輪の前に置いてストッパー代わりに使い始めていた。台風が過ぎ去ってもそれを継続しているのは、本来の狙いが抗議する住民を排除するため、仮設ゲートを固定することにあったことを示している。

 この土のうの中に入っているのは、鉄板前にこぼれ落ちていたのと同じ粉末混じりの砂利である。ほかにもあちこちに砂利がこぼれたらしい白い粉の跡がアスファルトに残っていた。このことをALSOKの警備員に指摘し、こぼれ落ちた砂利を片づけるようにいったのだが、警備員や沖縄防衛局員たちは見て見ぬ振りで、私が見ていた午前の間、砂利は放置されたままだった。

 泥や砂利が国道に流出することに本当に気を遣っているなら、こういうことはあり得ない。沖縄防衛局は、すぐにこぼれた砂利を片づるよう指示したはずだ。それを放置しているということは、泥や砂利の流出防止が鉄板設置の口実でしかないことを示している。今さらながら、この鉄板は住民を排除するために、あえて危険な構造で造った「殺人鉄板」以外の何物でもない。

 ちなみに、ALSOKが仮設ゲートを補強している映像は、問題の鉄板に立って撮影したものだ。このあとALSOKや沖縄県警によって外に出されたのだが、その際、沖縄防衛局員がマイクでがなり立てていたのは、この場所は〈占用許可された場所です〉というものだった。刑特法(刑事特別法)に違反する、という言葉は一言も出てこなかった。

 それもそのはず、キャンプ・シュワブの入口には、上の看板が掲げられている。提供施設内を示す〈黄線〉は「殺人鉄板」よりも基地の側に引かれているのであり、鉄板が敷かれている場所は〈提供施設内〉ではない。当然ながら刑特法が適用されることもない。そのために沖縄防衛局は、住民排除の理由として〈占用許可〉を強調せざるを得ないのである。

 この鉄板の設置については、道路法上の問題も指摘されている。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=78725

 道路を占用して物件を設置するには、合理的な理由がなければならない。〈泥引き防止装置〉としての機能を果たさず、実際には必要もないものを、道路に設置して住民の通行に支障を生じさせることは許されない。沖縄防衛局が設置した鉄板は、歩行者が怪我をする危険性が極めて高いものだ。しかも、道路の専用期間は〈平成26年7月3日〜平成31年3月31日〉の長期に及ぶ。

 沖縄総合事務局・北部国道事務所は、設置される鉄板の構造や実際の必要性を知ったうえで占用を許可したのか。問題は法律上の形式論だけではすまされない。北部国道事務所は現場の実態を調査し、鉄板の必要性、安全性を検討して、占用許可を取り消すべきだ。国がやることならどんな無理でも通す、というなら道路管理者の資格はない。

※鉄板に溶接された三角形の突起物は山形鋼(アングル)というそうなので、過去記事もそのように訂正しました。

 


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