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Channel: 海鳴りの島から
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天皇夫妻来沖と辺野古新基地建設工事強行

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 天皇夫妻が6月26・27日に来沖する予定であることが報じられている。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-225056-storytopic-1.html

 学童疎開船・対馬丸が米潜水艦ボーフィン号の攻撃を受けて沈没し、学童775名を含む1418名(氏名判明者数)が犠牲になってから今年は70年になる。琉球新報の記事によれば、天皇は同世代の学童の犠牲者に関心があり、今年が70年の節目であることから対馬丸記念館の視察を希望しているとのことだ。それにしても、対馬丸が撃沈されたのは1944年8月22日である。8月15日の全国戦没者追悼式が終わってから、22日前後に来沖して何か不都合があるのだろうか。

 記事によれば、沖縄県の慰霊の日である6月23日の来沖も取り沙汰されていたようだが、〈警備に伴う影響などを考慮し、23日以降の日程が検討されている〉という。沖縄全戦没者追悼式には例年、内閣総理大臣が参加しており、今年は米国のケネディ駐日大使の参加も検討されている。要人警護のために大量の警察官が全国から動員されるが、今年はそれが天皇来沖の間も継続することになる。

 来沖前には警備公安警察を中心に、事前警備と称して要人の訪問先や周辺の住宅、アパートの住民や反戦、反基地運動を行っている団体、個人の調査が、公然・非公然と行われる。そうやって収集された情報は、政府が進める基地政策に反対する市民を弾圧するために使われる。今年は6月下旬にそれが沖縄県内で大々的に行われるわけだ。

 日本政府・防衛省は辺野古新基地建設の本体工事を大幅に前倒しし、今年秋には着工する方針を打ち出している。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=69164

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-225125-storytopic-53.html

 海底の地質を調べるためのボーリング調査を〈複数カ所を同時に調査する〉などして期間短縮するということだが、そのためには反対運動を力尽くで抑え込まなければならない。7月からは高江のヘリパッド建設工事も再開される。6月23日の安倍総理大臣とケネディ駐日大使の来沖、それに続く26・27日(もしくは7月以降)の天皇夫妻来沖は、辺野古新基地建設や高江ヘリパッド建設に反対する団体、個人への事前弾圧として利用されるのは間違いない。

 天皇夫妻が沖縄にやってきて対馬丸の犠牲者に哀悼の意を示す一方で、それと並行して日本政府は辺野古新基地建設や高江ヘリパッド建設、先島地域への自衛隊配備を進め、沖縄を中国に対抗する軍事要塞として強化しようとしている。日中の軍事衝突が起これば、まっ先に危険にさらされるのは沖縄県民である。天皇が来沖するたびに沖縄は戦争の気配が高まり、対馬丸をはじめ沖縄戦の犠牲者は浮かばれまい。

 天皇夫妻来沖は、辺野古や高江の工事強行に向けての事前弾圧に利用されるだけでなく、沖縄戦をめぐる歴史認識の歪曲や日本ナショナリズムへの同化など多様な問題をはらむ。天皇を前に押し立てて安倍政権が沖縄で何をやろうとしているのか、要注意だ。

 


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