13日付琉球新報の社説は、高江のN4−2ヘリパッド建設工事において沖縄防衛局が、県の赤土等流出防止条例に違反した問題を論じている。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-221251-storytopic-11.html
県の条例には国や市町村の事業に対する罰則規定がないことや、米軍基地内で環境問題が発生しても、ただちに立ち入り調査ができない日米地位協定の問題についても言及している。もっともな主張であり、こういう米軍に与えられた特権が沖縄防衛局の隠蔽体質を助長させている。今回の問題も、住民側からの告発がなければ、沖縄防衛局は北部訓練場の奥の方で赤土を処理し、隠し通していた可能性がある。
https://www.youtube.com/watch?v=fkHb1FeLg-I&feature=youtu.be
今回のN4−2のヘリパッド工事において丸政工務店は、2月21日頃から赤土の搬出作業を行っていた。本来なら盛土工事が終わってから残土が出る作業はないはずだが、28日の工期末まで4トンダンプカーで赤土の搬出作業が続けられた。切土工事はヘリパッドの接地帯に近い南側(N4ゲートに向かって左側)から北側に移動し、2月末にはN4ゲート付近からも見える場所でバックホーを使った作業が確認できた(動画参照)。そうやって運ばれた残土は今どこに置かれているのか。
本来なら、ダンプカーが画面右奥に消えたあと、すぐ近くにある残土置き場に赤土を置かなければならない。そこが県に届けられた場所であり、沖縄テレビ(OTV)のニュース映像では、赤土流出防止柵で四角に囲われているのが分かる。一つ目のヘリパッド工事で出た残土は、N4−2工事の盛土として使用されており、十分な空きスペースがあったはずだ。にもかかわらず、そこに置かずに奥の別の場所に新たに仮置き場を作っていたなら、意図的に県の赤土等流出防止条例に違反したことになる。
その理由は、N4ゲートから直線距離で200メートルほどしか離れていない本来の仮置き場では、監視活動をしているメンバーにバックホーなどの作業音が聞こえるため、音が聞こえない奥の方に運んで、3月以降に片づけの作業をしようとしたからではないか。そうでなければ本来の仮置き場に置いて、県に残土が出た事実を伝え、事情を説明すればいいだけのことだ。残土が出たことを隠蔽しようとしたのでなければ、別の場所に仮置き場を新たに設けることは考えられない。
重要なのは、N4ゲートから見て右奥200メートルほどの所にある本来の残土置き場が、現在どのような状態にあるかだ。別に仮置き場を作らなければならないほど残土で満杯になっているのか否か。もしそこが空の状態であったり、残土が置けるスペースが十分にあるにもかかわらず、別の場所(奥の方)に新たな仮置き場が作られているとしたら、それこそ沖縄防衛局と丸政工務店は、3月以降に重機を使って隠蔽工作をやろうとしていことになる。
県内メディアはぜひ取材用ヘリコプターを飛ばして、高江のN4ヘリパッドの状況を空撮してほしい。本来の残土置き場の状態や新たな残土置き場の位置、状態、その周りにバックホーや4トンダンブカーなどが置かれていないかなどが分かれば、沖縄防衛局と丸政工務店がどのような意図を持って残土処理をしようとしていたかが明らかとなる。米軍基地内を不可触の領域としないためにも、今回の問題をより詳しく追及してほしい。