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Channel: 海鳴りの島から
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2月10〜12日の高江の様子

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 高江のN4ヘリパッド建設現場では、今週も午前8時過ぎから午後5時半近くまで工事が行われている。先週の後半から建設現場でバックホーが動く音が少なくなり、今週は搬入される資材を降ろすときの音が時折聞こえる程度。10日は車両の移動もほとんどなく、11日は朝、ブルーシートで覆われた資材が現場に搬入された。他にトン袋を積んだトラックも入っているが、回数は2回程度。

 12日も同じような資材が搬入され、トン袋を積んだ4トンダンプカーは12回ほど移動している。他に別の資材を乗せて2回移動しているが、何が運ばれているかははっきりしない。すでに接地帯の砂利敷き詰めは終わって、砂を敷いて芝生の保護材を貼り付ける作業に入っている可能性もある。12日に県の環境保全課が現場の立ち入り調査を行うので、工事の進行状況の確認ができると思う。

 週明けの10日(月)のお昼頃、メインゲート北側に丸政工務店の車が来て作業員2人が下りると、森の中に駆け込んでいった。連絡を受けて監視活動にあたっていたメンバーが駆けつけたが、あと一歩の所で間に合わなかった。2月中に二つ目のヘリパッドを完成させようと、沖縄防衛局と丸政工務店は休日も工事を進め、北部訓練場内に宿泊させた作業員を少人数単位で入れ替えている。

 今週は雨模様の日が続き、高江は冷え込んでいる。雨合羽を着て早朝からメインゲートに立っているメンバーは、体が冷えて負担が大きい。中には夜9時までメインゲート前に立ち、そのまま車で泊まる人もいる。いざというときの判断や対応は馴れた人でないと難しい面があるので、なかなか休めない人もいるが、応援が多ければその分負担は軽くなる。工期もあと2週間ほどであり、その間にぜひ高江に来てほしい。

 米軍の訓練も連日行われている。11日は午後5時半頃、MV22オスプレイが飛来するとメインゲートから新川ダム上空を時計回りに旋回飛行し、メインゲート東側の着陸帯でホバリングを行っていた。11日はCH53Eヘリも2機飛来し、夜間訓練も行っていた。メインゲートにやってくる米軍車両には、そのつど抗議を行っている。

 

 10、11日に陸上では、十数名単位で北部訓練場内を徒歩で移動する訓練が行われていたようだった。雨のなか長時間山道を歩いて疲れきったような兵士や、警備ボックスの後ろで休憩をとりながらレーションを食べているアジア系の米兵の姿が見られた。

 メインゲート前から抗議の声をあげるとニヤニヤ笑っている米兵もいたが、イラクやアフガニスタンに派兵されて死亡し、肉体と精神を破壊された米兵の中には、沖縄で訓練を受けた兵士もいただろう。個々の兵士が国家に対しどれだけの思い入れを持とうと、下っ端の兵士などしょせん最後は捨て駒とされる身だ。それを隠すためにその死は常に国によって美化される。国のために尽くした、という物語で飾られて。

 

 12日はメインゲート北側の森で発煙筒を炊いて訓練が行われていた。森に米兵たちの声や銃声が断続的に響いていた。

 森を歩いてみたいがなかなか時間が取れない。15分ほど雨に濡れた森にはいると、キイレツチトリモチが数株あった。すでに枯れていたが、米兵が集団で訓練をしている場所では、こういう植物が踏み荒らされているのだろう。

 この2週間ほど高江ではエダシャク蛾の一種が大量発生していた。新川ダムのトイレでは壁に無数にとまって気持ち悪いほどだったが、メインゲートの照明灯にも集まっていて、その下に死骸が散らばっていた。それを食べにシジュウカラ、アマミヤマガラ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロが集まり、きれいに片づけていた。人のすぐそばまで来て蛾をくわえていくので、見ていて飽きなかった。

 ヘリやオスプレイの飛来は、これら鳥類の生存を脅かす。繁殖期に工事の音が許されないなら、米軍機の爆音も許されていいはずがない。ケネディ駐日大使が来沖しているが、辺野古の海ややんばるの森を破壊して米軍基地を強化する一方で、沖縄との親善を深めるという欺瞞は許されない。

 


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