安倍政権の「秘密保護法」強行採決に抗議し、廃案を求める声明
11月26日の衆議院本会議で、国民の反対の声を踏みにじり「特定秘密保護法」を強行採決した安倍政権の暴挙に抗議するとともに、直ちに廃案にするよう求めます。国民の目、耳、口を塞ぐ稀代の悪法「秘密保護法」の中身が明らかになるにつれ国民の間に怒りの声が燎原の火のように燃え広がっています。この法案は、行政機関の長が外交、防衛、スパイ活動防止、テロ防止にかかわる情報を「特定秘密」に指定し、それを漏らした公務員や、それを知ろうとするジャーナリストや市民に厳罰を科し、国民に知られたくない情報を隠すためのものです。処罰を恐れて公務員は口をつぐみ、政府は都合のいい情報だけを発表することになります。これは戦時中の「大本営発表」の再来ではないでしょうか。沖縄では、戦時中、疎開船対馬丸が米艦船の魚雷攻撃によって撃沈され、学童を含む多くの県民が犠牲になりました。当時は軍事機密として報道はおろか、うわさ話も禁じられ、わが子の安否を問うことさえ許されませんでした。このような悲劇を二度と繰り返してはなりません。現在もなお、軍事基地が集中している沖縄では、オスプレイ配備の情報、枯葉剤の情報は、軍事機密のベールに覆い隠され、住民の命は危険にさらされています。「秘密法」が成立すれば、住民は自らの命を守るために軍事基地にかかわる情報を知ろうとすれば処罰の対象になりかねません。
「秘密保護法」は、「安全保障会議(日本版NSⅭ)設置法」と一体のものとして成立が強行されました。日米の軍事一体化が進む中、日米の秘密情報の共有とともに、内閣総理大臣を司令塔とする今日版「大本営」が作られることになります。安倍政権が来年の通常国会で成立をもくろんでいる集団的自衛権行使を可能とする法案とセットされると、憲法は条文を変えることなく、骨抜きにされます。これこそ、「授権法」を強行成立させ、ワイマール憲法を骨抜きにしたナチスの手口ではありませんか。「見まい、聞くまい、話すまい、国の秘密心して」など標語掲げ、国民の知る権利を奪い、政府に従わない人たちを弾圧し、戦争へと突き進んだことを今一度思い起こしてください。「秘密保護法」は、戦争準備のための法律にほかなりません。
私たちは、国民の知る権利を奪い、国民を監視し、戦争準備のための「秘密保護法」の強行採決に強く抗議し、直ちに廃案にするよう求めます。
2013年11月26日
住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄
宛先: 内閣総理大臣 安倍晋三