12日は台風7号の影響で風の強い1日となった。もっとも沖縄島北部では曇り空で日差しがさえぎられ、炎天下での監視活動に比べればしのぎやすかった。N4ヘリパッド2の建設作業員が乗った車は、12日は姿を現さなかった。前日11日には2台連ねてやってきたのだが、メインゲート前での監視・説得活動によって引き返している。今週はN4ゲート付近から見ている限り、ほとんど工事は行われていない。
一方でこの2週間、ヘリパッド建設に向けての環境調査は進められてきた。7月5日付沖縄タイムスには次のように記されている。
〈沖縄防衛局によると、測量や希少種の調査などの作業手順を踏んでいるという。〉
7月に入って、動植物の調査で北部訓練場に出入りしているのは、沖縄環境保全研究所の1社だけであり、同社の社員たちもN4の建設現場で調査をしていることを認めている。12日は、メインゲートにやってきた同社の調査員たちにも、監視・説得活動を行った。午前8時47分に、同社の社名が入った車に2人が乗ってやってきたが、10分ほど話をしたあと引き返していった。
調査員の皆さんは、元もと植物や昆虫が好きで大学で生物学を学び、専門職としての仕事を選んだはずだ。しかし、今やっている仕事はヘリパッド建設のための調査であり、やんばるの森を破壊し、植物や昆虫の生息地を奪うものでしかない。「誰かがやらなければならない」「移植して生かすため…」「仕事だから…」などと自己合理化するのは止めてほしい。ぜひ初心に返って、自分が好きな生物たちの棲むやんばるの森を破壊するのではなく、守るために努力してほしい。
銃声音や米兵のかけ声などは聞こえないが、森の中では米兵たちの訓練が連日行われている。12日は午前8時頃、大型トラックが給水車を牽引してメインゲート西側の訓練場に向かい、お昼前に戻ってきた。ゲートから出てくるゴミ回収者の荷台には、レーションの空き箱や空き袋が大量に積まれていた。
http://www.youtube.com/watch?v=tawM5TbuyRw
メインゲート周辺には最近よくアオタテハモドキが飛んでくる。雄は羽の青色が鮮やかなのだが、雌もなかなか綺麗だ。写真は羽化したばかりの雌で、柔らかな羽を風になぶられながら、1時間余り草の上で飛び立てるのを待っていた。監視活動をしながらでも、いろいろな蝶を目にできるやんばるの豊かな自然を守りましょう。