6月5日は午前10時半に北部訓練場メインゲート前に集合し、水曜行動を行った。この日も米軍の動きはなく、静かなやんばるの森にジーワジーワというセミの鳴き声が響いていた。参加者が宣伝カーのマイクを手にリレートークを行い、6月2日に東京で行われた「第6回ゆんたく高江」の報告や日米安保条約に反対しようという呼びかけ、やんばるの森の価値を訴える声などが続いた。
昼食後、メインゲート近くのテントで、「やんばるの自然を歩む会」の玉城長正さんが、やんばるの森について話してくれた。40年以上やんばるの森を歩き続け、ほとんどの沢を見てきたという玉城さんは、自ら撮った森や沢、動植物、皆伐による森の破壊の写真、高江のヘリパッド建設や森林開発の資料などを示しながら、やんばるの森の現状と価値を語っていた。その一部を紹介したい。
やんばるの森は、西側は皆伐や林道建設によって本来の姿が失われてしまった。かろうじて東側に開発の手が及んでいない森が残されており、高江ではノグチゲラの営巣が活発に行われ、新種の植物も発見されている。太平洋から吹く風が国頭の山並の脊梁部に当たり雲や霧を発生させるため、東側の森は湿潤でシダやコケ、ランなどの宝庫だ。専門家の調査が行われれば数多くの新種が発見されるのは間違いない。こういう森を破壊してヘリパッドを造らせてはならない。国有林が人殺しの訓練場になっているのは世界でもここだけであり、北部訓練場の全面返還を実現しよう!と熱く訴えていた。
玉城さんの話を聞くたびのその熱意に打たれ、この森を守らなければ……という思いに駆られる。やんばるの森をくまなく歩き、自らの目で森の移り変わりを確かめてきた人だからこその説得力がある。前にも紹介したが、下のホームページをぜひ見てほしい。
http://yanbaruakahige.com/000/hyoushi.html
N4テントの近くで見かけたトビモンオオエダシャクの幼虫。枝かと思ったら見事な擬態だった。「オスプレイの訓練受け入れ」だの「沖縄の基地負担軽減」だの、あたかも沖縄のことを考えているかのようなポーズをとる右曲がりの政治家がいるが、擬態は虫だけにしてほしいものだ。
メインゲートの金網の近くにはツマグロヒョウモンの幼虫がいた。水曜行動をやっているとき、金網のそばの土手に雌がよく降りていたのだが、卵を産んでいたらしい。虫が嫌いな人は見たくもないだろうが、黒地にオレンジの線が綺麗な幼虫だ。
高江の森で咲いているコバノミヤマノボタン。やんばるの森の固有種で絶滅危惧?類。やんばるの森でしか見られない動植物を守りましょう。