5月17日から第36回「5・15平和行進」沖縄島3コースが始まった。平和行進は沖縄島3コースと宮古島(5月11日実施)、石垣島(5月15日実施)の計5コースで行われる。主催は5・15平和行進実行委員会でフォーラム平和・人権・環境が協力している。労組中心の取り組みだが、反住基ネット沖縄も毎年参加していている。今年は韓国からも参加していて、東コースは午前9時に辺野古の浜で出発式を行い、約370人(5/18付琉球新報)が参加した。
前日は激しい雨と雷で、今日もかなりの雨になるのでは、と覚悟していたのだが、幸い午前中は曇りで、雨も強い日差しもなく歩きやすかった。集会後、キャンプ・シュワブの金網フェンスで分断された浜を1周して出発した。
辺野古の集落を久辺小学校の生徒たちの声援を受けながら抜け、豊原区を通って久志区に向かう。雨に濡れた沿道の緑にコンロンカ(崑崙花)の白いガク(萼)が映えていた。
久志区の集落を抜けると国道329号線に出て南へ進む。沖縄では梅雨のこの季節、山野や民家の庭でサンニン(月桃)の花が咲いている。子どもの頃は、家族でサンニンの葉を取ってきてハーサバームーチー(鬼餅)を作った。最近は赤土流出防止のために畑の周りに植えたり、化粧品や紙の原料としても利用されている。
宜野座村松田のガソリンスタンド横でいつも休憩をとっている。宜野座村職員労組と北部地区労の皆さんが、冷えたお茶とシークヮーサージュースを用意してくれた。
休憩を終えると、しばらく左に海を見ながら国道329号線を南下する。行進中、前の人が何か踏んだらしく金属音がしたので足元を見ると、車道の端に空砲の薬莢が落ちていた。かたばる(潟原)という地名が示すように、付近の海は干潮時には砂地の干潟が広がり、米軍の水陸両用車が上陸訓練を行う場所である。昨年夏には米兵がここで国道に銃口を向け問題となった。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-195696-storytopic-1.html
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-195761-storytopic-1.html
沖縄島東海岸を南北に結ぶ国道329号線は、キャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブ、北部訓練場を行き交う米軍車両が頻繁に通る。この日はYナンバーの乗用車にも迷彩服を着た米兵が目立った。68年続く軍事植民地の風景であり、歩きながら腹立たしさが募ってならない。
宜野座村役場に着き、昼食を取る。平和行進は午後も続き、金武町営グラウンドが到着場所だったが、反住基ネットのメンバーは午前中で引きあげた。
毎年参加するたびに、こういう行進をやらなくてもいい沖縄にしなければならない、と思う。しかし、今年もまた歩かざるを得ない現実がある。出発式に参加する辺野古のお年寄りも少なくなった。この10数年で亡くなった方、足腰が弱って参加がままならない方も多い。沖縄戦を生き延びたお年寄りたちが、辺野古新基地建設に反対して座り込み、長いたたかいを続けてきた。その思いを受け継いでいきたいものだ。