3月26日午後1時半から、沖縄県議会土木環境委員会による高江N4ヘリパッド(オスプレイパッド)建設現場の土砂崩落に関する立ち入り調査が行われた。立ち入り調査は東村、県当局、野党国会議員(うりずんの会)に続いて4回目となる。N4のヘリパッド建設現場で土砂崩れが発生したことが明らかになってから、建設反対の取り組みを進めてきたメンバーは、現地調査を求めて東村、県、国会議員、県議会議員へのはたらきかけを行ってきた。それが実ってN4の土砂崩落現場にこれだけの立ち入り調査が行われた。その意義を確認したい。
土砂崩落が起こったとされる1月8日からすでに2ヶ月半余が過ぎている。沖縄防衛局と大米建設による弥縫策が施されて、土砂崩れがもたらした被害の生々しさは薄らいでいたかもしれない。しかし、崩れ落ちた土砂によって生き埋めとなった動植物があり、流出した赤土による植物の被害もあった。調査をした県議の皆さんには、そのことへの想像力と認識力をはたらかせてほしい。
同時に考えてほしいのは、N4ヘリパッドの地形上の危険性である。立ち入り調査にあわせたかのようにMV22オスプレイの01番機がN4に飛来し、ヘリモードや固定翼モードで旋回していた。開いたドアからは米兵が身を乗り出すようにして、下の様子を確認していた。
県議の皆さんはオスプレイがやんばるの空を飛ぶ様子と、それが離着陸する場所を目にした。三方を崖に囲まれた狭い場所にヘリパッドが造られ、しかもその法面が工事中に崩落している。N4に建設されたのが、欠陥オスプレイが離着陸する欠陥ヘリパッドであること。その危険性を県議の皆さんは広く県民に伝えてほしい。
立ち入り調査終了後、中川京貴土木環境委員会委員長がメディアの取材に答えていた。沖縄防衛局は例によって、土砂崩れは工事と関係ない、と説明していたようだ。しかし、土砂崩れは工事期間中に起こったものであり、場所はヘリパッドの本体である無障害物帯(緩衝帯)である。連日重機を使って工事をしていた接地帯に隣接する場所で、工事期間中に土砂崩れが起こっていながら、関係ない、とはよくも言えたものだ。
オスプレイ配備に関して、沖縄防衛局は嘘を重ね、県民をあざむき続けてきた。辺野古新基地建設の埋め立て申請を見ても分かるように、県民をだまし、あざむく姑息さは、沖縄防衛局の体質と化している。時間をかけて高江現地までやってきた県議の皆さんまで、沖縄防衛局はあざむこうとしている。ヘリパッド建設現場では、連日バックホーで地面を叩いていた。その震動や沈砂池の排水が法面に与えた影響だけを見ても、工事と無関係と言えるはずがない。3月もあと5日で終わる。4月以降、N4のヘリパッドが使用をされることを許さないために取り組みを進めましょう。
3月26日は座間味島、慶留間島の強制集団死から68年目でもあった。できれば座間味島に行きたかったのだが、立ち入り調査があるということで高江に向かった。沖縄はこれから1日1日が沖縄戦を振り返る日々となる。戦禍の犠牲となり、無念の死を迎えねばならなかった人々を追悼したい。