2月1日に反住基ネット沖縄が東村の伊集盛久村長に、ヘリパッド建設の中止と土砂崩れによる赤土流出の調査を要請した。それを受けて、東村が沖縄防衛局に立ち入り調査の申し入れを行い、2月12日に実現された。
12日の午後2時頃に沖縄防衛局員10数名と東村の伊集村長、職員がN4のゲートにやってきた。基地内に入った伊集村長らは、約40分ほどヘリパッド工事の土砂崩れ現場を立ち入り調査し戻ってきた。
沖縄防衛局がヘリパッド工事現場の土砂崩れを把握したのは1月12日というから、すでに1ヶ月が経っている。当然、谷底に流れ込んだ土砂の除去や崩落したのり面の整地を行った上で、保護シートを張って土砂流出の防止策を施しているはずだ。時間稼ぎをやって弥縫作を施したうえで立ち入り調査を認める。見え見えの手口だが、重要なのは赤土流出だけでなく、南、西、北の三方を谷間に囲まれたN4の建設現場が、ヘリパッドの不適地であることだ。
今回の土砂崩れが、無障害物帯というヘリパッドの本体で起こっていることは防衛省も認めている。しかも、この間の報道や資料を見ると、土砂崩れは直径45メートルの着陸帯のぎりぎりまで迫っている。現地に立って、伊集村長はその現実を目にしたはずだ。ヘリパッド建設を容認する立場でも、無条件ですべてOKではないだろう。N4で建設されているヘリパッドが構造的欠陥を持ち、事故を誘発する危険性を持っているなら、工事の中止と建設計画の撤回を求めるべきだ。
13日には県の立ち入り調査も行われるという。行政だけでなく、国会議員、県議会議員も県民の代表として、ぜひヘリパッド工事の崩落現場を立ち入り調査してほしい。立ち入り調査に対しては、私たちも積極的に協力したいし、沖縄防衛局は住民代表とメディアの立ち入り調査も認め、土砂崩れ現場の実態を情報公開すべきだ。
沖縄へのオスプレイ配備に反対するなら、オスプレイの訓練場の建設にも反対するのは当たり前のことだ。いくら東京まで行って行動しても、地元でオスプレイパッド建設を容認しては説得力を持たない。ましてやオスプレイが訓練に使う前から、着陸帯本体が崩落するような欠陥を持っていては話にならない。東村や県が立ち入り調査をしたうえで建設を容認するなら、将来発生する事故にも責任を負う。そのことの重みを自覚すべきだ。