しばらく前に庭の隅でカマキリの死骸を見つけた。産卵をひかえてツワブキの花陰にとまっていたカマキリだろう。
産卵を終えて命がつき、草の上に横たわって朽ちていこうとしていた。
その少し前には、犬小屋の跡に羽がボロボロになった黒いアゲハチョウがとまっていた。飛ぶ力もなくなり、命が尽きるのを待っていた。
早春の庭は黒木やヒレザンショウの新緑が萌え、アオバナハイノキの花が咲き、あちこちでユリが伸びている。
羽化して間がないらしい蝶は近づいても飛び立とうとしない。羽に花粉がついているから蜜は吸ってきたのだろう。
もうすぐ小さなカマキリの姿も目にできるはずだ。