『ゴールデンカムイ』でアシリパが父親のことを「アチャ」というのだが、今帰仁では父親のことを「チャーチャー」という。
明治生まれの私の祖母は「チャーチャー」という言葉を使っていたが、今では今帰仁の人でもこの言葉を知っている人は少ないかもしれない。
仲宗根政善著『沖縄/今帰仁方言辞典』(角川書店)では、参考として『全国方言辞典』から山形県村山地方や福島県北部では父を「ちゃちゃ」というと紹介されている。
上代には男子を敬って「ち」と言い、それが重なって「ちち」=父になったという。「アチャ」や「チャーチャー」も「ち」と共通の祖語を持つのだろうか。
話は飛ぶが、魚豊の『チー地球の運動についてー』(小学館)も面白い。