10月21日付琉球新報に〈新基地建設従事作業員1人感染/辺野古、工事継続へ〉という見出しの記事が載っている。短いので以下に全文を引用する。
〈沖縄防衛局は20日夜、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設工事に携わる50代の男性作業員が新型コロナウイルスに感染したと公表した。同局は工事は続ける方針。
防衛局によると、感染した作業員は、海上で工事船の安全を監視する業務を担当している。18日に陽性が確認された。濃厚接触の可能性がある1人は自宅待機の指示を受けた。防衛局は「必要な感染症対策が適切に講じられており、工事を続けても問題ない」と説明した。
新基地建設工事関係者の感染は3人目。防衛局は、4月に工事関係者が新型コロナに感染した際は約2カ月、工事を止めていた〉
上の写真2枚は、今年の10月15日にK8護岸近くで撮影したものだ。記事中の〈感染した作業員〉についての説明を読み、2人1組でゴムボートに乗り、監視活動にあたっている民間警備員たちのことが思い浮かんだ。
2枚の写真は別々のゴムボートで、4人の警備員はいずれもマスクをはずしたり、ずらしたりしている。こういう光景は珍しいものではない。屋外とはいえマスクを着けないまま至近距離で話をしている場面もあり、見ていて意識の低さに驚かされる。
沖縄防衛局は〈「必要な感染症対策が適切に講じられており…」〉と型通りのコメントを発表しているが、現場の点検などやってはいまい。以前にも海上の警備員から新型コロナウイルスの感染者が出たはずだ。反省が活かされていないわけで、上の写真を見れば、沖縄防衛局の感染症対策のずさんさが露わになっている。何が「適切に講じられており」だ。
沖縄ではここのところ1日に30人台の感染者が続いている。市中感染の広がりが指摘されるなか、感染者を責めることがあってはならない。問題は沖縄防衛局の姿勢にある。自分たちの感染症対策の実態を反省することもなく、形だけのコメントですまそうとする。工事の継続ありきで、作業員への犠牲を顧ないでたらめなものだ。
もとより、沖縄の民意を踏みにじり、犠牲を強要する辺野古新基地建設は即座に中止すべきだ。秋に入ってヨーロッパでは新型コロナウイルスの感染拡大の第2波が襲来している。沖縄・日本も再び緊急事態宣言が発せられる事態があり得る。その対策のために税金は使うべきであり、辺野古新基地建設で浪費する愚は終わりにすべきだ。