10月6日に岩国基地に残っていた3機のMV22オスプレイが普天間基地に移動し、12機の沖縄配備が完了した。県議会をはじめ全市町村議会が配備反対の決議をあげ、10万余の県民大会が開かれて全県的な反対運動が取り組まれるなか、それを踏みにじって強行配備されたオスプレイが、これから先、県民に受け入れられることはない。怒り、不安、恐怖、嫌悪のまなざしが、その異様な機体に絶えず向けられ、普天間基地ともども撤去していく運動が、これから執拗に取り組まれていくだろう。
写真は9月30日の普天間基地大山ゲートの状況である。オスプレイ配備を翌日に控えたこの日、大山ゲートと野嵩ゲートでは座り込みの阻止行動を行っている市民に対して、沖縄県警が暴力的な強制排除を行った。
今回のオスプレイの沖縄配備は、普天間基地のゲートを封鎖して必死の抵抗を行った市民に対する、沖縄県警・在沖米軍・基地ガードマンの三位一体となった暴力によってなしとげられた。非暴力の座り込みを行っている市民の中には、高齢者や女性が大勢いたが、機動隊員は市民1人に数人で襲いかかり、ごぼう抜きにして引きずり回した。また、強制排除した市民を囲い込んで長時間にわたり閉じこめるなどした。そのために怪我を負い、気を失って倒れる市民が何人も出た。米軍の手先となって県民に弾圧をくわえ、オスプレイ配備を手助けした沖縄県警を糾弾する。
気を失った仲間を助け出す市民。
車道から強制排除されて公園にいたにもかかわらず、さらに市民を排除する機動隊員。公園の中まで排除するのか、という声があがった。
大山ゲートは国道58号線から100メートルほど奥まった所にある。県警はゲートへの登り口付近で検問を行い、さらに警察官を並べて二重、三重の阻止線を作り、現場を隔離状態にしていた。一般市民の目が届かないようにしたうえで、報道関係者の取材規制までも行っていた。
機動隊員に抱えられて強制排除されたあと、なんとか包囲を抜け出し、他の市民らと一緒にレッカー移動されていく車を止めようと追求したが、かなわなかった。ゲート前から退去させられる車を眺め、無念の思いで抗議することしかできなかった。
警察の中に見るからに異様な風体の刑事が6人ほどいた。うち1人は女性である。反戦、反基地、反原発などの運動をつぶすことを専門にしている警備・公安担当者たちで、弾圧のための資料集めを行っていた。刑事なのに厳重に顔を隠しているのは、彼らが尾行や盗聴、スパイ活動などを専門としているからである。また、市民を怖がらせて集会から遠ざける効果も狙っている。こういう警察権力による運動の破壊策動や不当な情報収集を許してはならない。大切なのは彼らが弾圧できないように運動を盛り上げ、注意をしながらも恐れないことだ。、
イラクやアフガニスタンの光景ではない。沖縄の今の光景である。ゲートの向こうでは米兵たちが警戒態勢を取っていて、中には今にも戦闘に出そうな格好で、にやにや笑いながら様子を見ている腐りアメリカーもいた。沖縄県警の警察官たちは、自分たちが誰の下働きをさせられているか、よく考えた方がいい。沖縄を今も続く占領地、植民地くらいにしか考えていない米軍を守り、市民に暴力を行使して弾圧する。そうやってオスプレイの配備強行を手助けして、もし事故が起これば犠牲になるのは、あなたの家族かもしれない。
ユーチューブには、この間の普天間基地各ゲートでの取り組みの映像が、数多く投稿されている。現場にいると自分がいる1地点しか見えないので、映像を見てここではこうなっていたのか、と思うことも多い。ぜひ多くの人に見てほしい。軍事基地への抵抗運動はこれからも続く。普天間基地の各ゲートや高江、辺野古で何が起こり、何が取り組まれているかを知って、ぜひ現場に来て参加してほしい。