上の写真は2月14日(金)に、名護市安和の琉球セメント旧桟橋を使って、セメントの積み込みを行っている様子だ。この日はいつも来ている琉仁丸よりも大きな平尾山丸というセメント運搬船が停泊していた。
船が大きいため船首部分が、旧桟橋よりかなり前にはみ出している。そのために船首部分の係留ロープを旧桟橋に繋げず、陸地の方まで70メートル以上伸ばして、ダンプカーが土砂を下ろす場所の近くに繋いであった。
陸上の琉球セメント構内には、係留用のビットが設置され、フェンスにはロープを入れるためのドアが設けられている。旧桟橋だけでは対応できないので、これまでもこういう形で船を係留してきたのだろう。
係留ロープが接する消波ブロックにはゴムが貼られ、こすれて切れないようにロープにも毛布が巻かれていた。いくら保護措置を取ったところで、消波ブロックと接する場所にロープを伸ばし、繋いでいること自体が危険であり、大きな問題だ。
これまで、旧桟橋の老朽化による破損のひどさや、作業員が危険な作業を強いられている問題を指摘してきた。それらに加えて、規模の小さい旧桟橋に無理に大型のセメント運搬船を接岸していること。そのために係留ロープの繋ぎ方に無理が生じている問題も指摘したい。
同じ日の同じ時刻に、新桟橋にはガット船・玄周丸が接岸し、辺野古埋め立て用の土砂を積み込んでいた。平尾山丸の全長は玄周丸と同程度だ。写真を見れば分かるように、新桟橋は規模が大きいので、玄周丸が接岸しても余裕がある。
平尾山丸も新桟橋を使ってセメントの積み込みを行えば、安全に作業ができるのだ。無理に陸上まで係留ロープを伸ばす必要もない。船首、船尾ともに新桟橋の長さ、ビットは十分以上だ。
本来の業務であるセメントの積み込みで、危険な旧桟橋を無理をして使い続ける琉球セメントの姿勢は異常である。辺野古埋め立て用土砂の積み込みを最優先し、無理に旧桟橋を使い続け、作業員を危険にさらしている。辺野古利権をむさぼるために、作業の安全管理を無視していいのか。
2月14日付沖縄タイムスに〈安和旧桟橋 撤去命令へ/県が老朽化確認 年度末に〉という見出しの記事が載っていた。記事によれば、沖縄県は旧桟橋の〈使用期限の今年3月31日以降に撤去を命じる方針である〉という。
〈…県は今年1月15日の立ち入り調査でコンクリートの剥離を確認。使用許可の期限は3月末で、琉球セメントが許可の更新を求める可能性があるが、県は基本的に撤去を命じる方針〉
〈許可が更新されない場合、撤去作業のための一定期間の使用は認めるという〉(以上、沖縄タイムスの記事より)
旧桟橋が撤去されれば、セメントの積み込みは新桟橋で行われるので、ガット船の土砂積み込みがその分できなくなる。沖縄防衛局や琉球セメントは、旧桟橋を使い続けようと画策するだろう。それを許してはならない。
これまで本ブログで繰り返し指摘しているように、旧桟橋は使用すること自体が危険であり、無理がある。琉球セメントは旧桟橋の使用を即座に止めて、セメントの積み込みは新桟橋で行うべきだ。そして、速やかに旧桟橋の撤去作業に着手すべきだ。
今後、安和の琉球セメント新桟橋での土砂積み込み日数が減少することになれば、沖縄防衛局はその分を本部港塩川区で補おうとするだろう。今後、塩川区での土砂積み込みがさらに拡大することが予想される。それに向けた抗議体制の強化が必要となる。
何よりも多くの人が現場で行動することが大事だ。