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Channel: 海鳴りの島から
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尖閣諸島問題を利用したオスプレイ配備強行宣言

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 尖閣諸島をめぐって日中間の対立が深まっているが、18日のテレビ報道は朝から異様だった。柳条湖事件から81年目を迎え反日行動が最高潮に達するということで、ワイドショーは反日デモが暴徒化して日本企業や商店を破壊する映像をくり返し流し、いたずらに視聴者の不安を煽るばかりか、東シナ海の出漁解禁で港を出る漁船の映像を使い、それがあたかも尖閣諸島に向かう1000隻の漁船団であるかのようなイメージ操作さえ行っていた。
 そうやって視聴者の不安や緊張、反感、怒りを煽ることが、視聴率を上げることに繋がるのかもしれない。しかし、そのような扇情的報道により日本側の対立感情も激化することで、右翼グループによる中国への挑発行動を引き起こし、問題をさらに悪化させていきかねないことにマスコミは注意すべきだ。国民の好戦的ムードを煽って自滅への道を掃き清めた、戦前のマスコミが犯した過ちを振り返るべきである。

 こういう時に限って、自分は火の粉が降りかからない場所にいて、やたら勇ましい民族主義的、国家主義的言辞を吐き散らす者たちが出てくる。中には、尖閣に自衛隊を出動させろ、という馬鹿もいる。しかし、実際に尖閣諸島海域で漁をしている宮古・八重山の漁民たちは、日中間の争いが激化し、長期化することを望んではいない。

http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-09-19_39192

 日中間の経済的相互依存が進むなかで、対立によって生活に悪影響を受ける人々は、日本、中国ともに数多くいる。観光をはじめ中国との経済交流を進めている沖縄でもそうだ。

http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-09-19_39185

 そのような生活者の視点を忘れて、国家だの領土だの大口叩いて悦に入っているヤマトゥの政治家や評論家に踊らされてはならない。日本人の「平和ボケ」をよく口にするそういう連中こそ、戦争や紛争がもたらす犠牲、痛ましさを想像できない「平和ボケ」に陥っている。こういう連中の本音は、戦場になるのは尖閣諸島=沖縄だ、「本土」ではない、という無責任極まりないものだ。
 今回の尖閣諸島をめぐる問題は、ワシントンのヘリテージ財団で、東京都による尖閣諸島の購入を打ち上げた石原慎太郎知事によって火がつけられた。国有化することで「棚上げ」状態を変更すれば、中国側が反発して対抗措置をとるのは分かりきったことだ。尖閣諸島をめぐって日中間に緊張状態を作り出し、武力衝突という破局的事態に至らないようにコントロールしながら、緊張を持続させるというのが石原知事や米国の軍産複合体の意図だろう。
 オスプレイの沖縄配備や先島への自衛隊配備を進め、東アジア全体で日米が連携して中国に対抗する軍事行動をとるための、格好の条件作りとして尖閣諸島問題が利用されている。野田政権もそれは承知のはずで、柳条湖事件が起こった9月18日の1週間前に尖閣諸島を国有化したタイミングといい、翌19日にオスプレイの「安全宣言」を打ち出すタイミングといい、よくできた話だ。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-197064-storytopic-252.html

 消費税増税をめぐる批判も吹き飛び、国難を口実に衆議院解散も先延ばしできる。民主党代表選に圧勝して野田総理は政権を継続し、アメリカもまたこの便利な政権を利用し続ける腹づもりなのだろう。しかし、そのような目論見は、これまで以上に沖縄に犠牲を集中させることを前提にしている。日米両政府は、オスプレイの配備撤回という沖縄の要求を無視し、形ばかりの「安全宣言」を出して配備を強行しようとしている。
 県民大会の決議が踏みにじられることを、多くの県民は予想していたはずだ。日米両政府にとって、沖縄県民の声や命は無視してかまわない、その程度の位置付けしかされていないことを、これまでの歴史から認識せざるを得なかっただろう。だからこそ、9・19県民大会は終わりではなく、新たな出発だ、と強調された。
 日米両政府が予想通りの行動をとってきたいま、沖縄県民はどうするか。踏みにじられて黙っていればさらに踏み続けられる。オスプレイ配備を強行するというなら、オスプレイの訓練ができなくなるように、普天間基地撤去を求めて基地機能を停止させる運動を進めるしかない。いったんオスプレイが配備されて運用されれば、あとは米軍のやりたい放題なのは分かりきっている。基地のゲート前に集まって、米軍の目に見える形で行動しましょう。自分の生活の場で創意工夫した取り組みを進めましょう。

 

 


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