9月に入った。2日(月)は朝、カヌー8艇で松田ぬ浜を出発した。海は思ったより荒れていて、にわか雨が断続的に続いた。
K8護岸ではランプウェイ台船の入れ替えが行われ、土砂を積んだ屋部5号が接岸しようとするのに抗議して、カヌー全艇がオイルフェンスを越えて台船を目指した。途中でゴムボートで追い回す海上保安官に拘束されたが、カヌーの上から抗議の声を上げた。
海保のゴムボートで松田ぬ浜に運ばれ、解放されたあとに平和丸に乗ってK9護岸に移動した。K9護岸では前日から土砂を満載したランプウェイ台船が接岸しており、始業とともに土砂を陸揚げし、ダンプカーで辺野古側の埋め立て区域に運んでいた。
K9護岸近くの崖崩れの様子をあらためて見た。崖の上は辺野古弾薬庫で、建て替え工事が進められている。
急峻な崖の形成には断層が影響している。今後台風や大雨が来れば、崩落はさらに拡大する怖れがある。辺野古新基地建設とともに、こういう場所に辺野古弾薬庫が造られていることの問題が、もっと議論されなければならない。
午前中、大浦湾では3隻のガット船(神峰、第八藤進、航安丸)が積んできた土砂をランプウェイ台船に移す作業を行っていた。
神峰と第八藤進は先週の土曜日に大浦湾に入っていたとのことで、2日に入ったガット船は航安丸1隻だった。本来なら毎日3隻以上はガット船が入らないと、K8・K9両護岸から土砂陸揚げした場合、土砂の補給が間に合わなくなる。1日に1隻しか入らないというのは、作業を進めるうえで厳しい状況だ。
昼食後、午後1時過ぎに再びK8護岸に行くと、昼休み中にランプウェイ台船の入れ替えが行われていた。すぐに土砂の陸揚げはせず、護岸の前に張られていた汚濁防止膜のアンカーを撤去する作業が進められた。消波ブロックの世一致が終わり、汚濁防止膜が必要なくなったということか。
作業やガット船、ランプウェイ台船の状況などを監視し、午後2時頃にK8護岸の近くを離れて松田ぬ浜に引き上げた。
松田ぬ浜に流出した石を片付ける作業を1時間余り行い、午後4時半頃に豊原の高台から辺野古側の埋め立て状況を見た。K8護岸には台船が接岸し、ダンプカーに土砂を移して②工区に投入していた。
K1護岸のそばに大型クレーンが姿を見せている。②-1工区で消波ブロックを設置したクレーン車と同規模の大型であり、K1護岸の外側に消波ブロックを設置していくかもしれない。
午後4時54分頃、瀬嵩の海岸からK9護岸の様子を見た。いつもなら土砂を満載したランプウェイ台船が接岸し、翌朝すぐに作業を開始できるようにしているのだが、この日は台船の姿がなかった。その理由は土砂を積んだ台船を準備できなかったことによる。
大浦湾には現在、7隻のランプウェイ台船が入っている。そのうち、K8護岸で土砂を下ろした台船も含めると、2日午後5時の段階で5隻が空の状態となっている。特にK9護岸に近い3隻はすべて空となっている。そのために明日の準備ができていないのだ。
残り2隻のランプウェイ台船のうち、1隻は今日、第八藤進が土砂を移し替えた船で半分しか土砂を積んでいない。もう1隻は今日、神峰と航安丸が土砂を積み替えた台船で、これは満載されていてるが長島近くにあり、k9護岸には一番遠い位置にある。
半分積んだ台船をK8護岸に接岸し、長島近くの台船をK9護岸に接岸すれば、明日1日の作業はできるだろう。しかし、長島側の台船をK9護岸で使わなければ、明日は朝に入ってきたガット船が台船に土砂を移し替えるまで、K9護岸の土砂陸揚げは止まるだろう。それは作業の遅れを意味する。
こういう状況は偶然に生まれているのではない。安和の琉球セメント桟橋や本部港塩川区での抗議行動が、ガット船への土砂積み込みや出港を遅らせている。その積み重ねが大浦湾に入るガット船を減らし、埋め立て土砂の補給が間に合わない状況を生み出しているのだ。
この事実は安和や塩川、辺野古・大浦湾で自ら抗議行動をし、現場の動きを細かく観察しないと見えてこない。日替わりでやってくるマスコミの記者には決して見えないだろう。だから報道されることもないが、現場で汗を流している人たちには、自分たちの行動が生み出している成果を知ってほしい。
辺野古の海の埋め立てを止めるには、大浦湾に土砂を運ぶガット船を阻止しなければならない。ぜひ多くの人に安和や塩川の現場に来て、土砂積み込みと搬出の阻止行動に参加してほしい。