台風5号の影響で辺野古の海、大浦湾は前日から荒れている。マナヌー岩周辺も白波が高くなっていた。自然の力には逆らえないので、埋め立て工事や海上での作業も止まっている。
海上行動も中止となり、18日は朝から抗議船の固定やテントの片付けなどの台風対策を行った。
台風対策が終わったあと、午前9時15分頃に豊原の高台に行き、辺野古側の埋め立て工区の様子を見た。N5護岸の上にクレーン車が1台置かれていたが、ほかの重機類は片付けられ、作業員の姿もなかった。
上の3枚は午前10時17分頃の大浦湾の様子。ガット船やランプウェイ台船は姿を消し、K8護岸やK9護岸に作業員の姿はなかった。台風5号の強風域が広いため海は白波が立ち、金属の棒が取り付けられたフロートが波に見え隠れしていた。
羽地内海には辺野古の埋め立てに使用されているガット船とランプウェイ台船が、台風から避難していた。
昨日、一昨日に安和の琉球セメント桟橋で土砂を積み込んだ神峰や松龍丸、第二十八旭丸などのほか、最近はあまり姿を見ない日和丸(一番下の写真で最近は羽地内海にいることが多いらしい)を含めたガット船と、屋部3号などのランプウェイ台船が勢ぞろいしていた。
参議院選挙は3日攻防に入っている。辺野古新基地建設を強行する安倍政権の支援を受けながら、辺野古新基地に対する態度を曖昧にしている候補者がいる。左右の対立を超えるときれいごとを言って争点ぼかしをしている人物が、日本政府にストレートにものを言えるのか。まずは沖縄の有権者にストレートにものを言ったらどうなのか。
台風で一時的に埋め立て工事が止まっているが、波が収まればこの大量のガット船とランプウェイ台船が大浦湾に移動する。選挙や裁判だけでは工事は止まらない。市民一人ひとりがもっと現場に来て行動しなければ、工事を遅らせることすらできない。
最近とても気になるのだが、大浦湾の軟弱地盤や活断層、県外から搬入する土砂の問題など、将来に予想される問題は熱心に論じられ、マスコミも報道している。しかし、今現に進行している辺野古側の埋め立て工事には、どれだけの関心が向けられ、抗議行動が行われているのか。
大浦湾では工事が進まない、と強調する一方で、辺野古側の埋め立てについては目をそらしていないか。いずれ工事は頓挫するから、座して待ってればいい。難儀をして辺野古まで行って抗議する必要はない、とでもいうのだろうか。
今起こっている問題には対処しないで、将来起こりうる問題にばかり力を注ぐのは、辺野古側で進んでいる埋め立て工事を止めきれない現実からの逃避ではないのか。工事が進めば進むほど止めるのは難しくなる。将来の問題は、今工事を止めきれない結果として起こるのだ。
大浦湾の問題や全国各地での取り組みが重要なのは言うまでもない。ただ、キャンプ・シュワブのゲート前や安和の琉球セメント前、海上に今、どれだけの市民が日々集まっているか。あるいは、連日現場で苦闘している市民に、どれだけの支援がなされているか。そのことをもっと真剣に考えないといけない。
辺野古について語る者は多いが、実際に自分の目で現場を確かめ、炎天下で汗を流し、雨に打たれ、波に揺られている者はどれだけいるのか。インターネットで手軽に得た情報で、訳知り顔に語っているのではないのか。