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Channel: 海鳴りの島から
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土砂投入で諦めていられるほどこの島の現実は甘くない。

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 14日(金)は朝、辺野古の松田ぬ浜と瀬嵩の浜の両方から、計49艇のカヌーが出発し、抗議船7隻、ゴムボート1隻とともに、土砂投入に反対する海上大行動を行った。

 海上からは護岸にさえぎられて陸上の様子が見えないので、長島から土砂投入に向けての動きを観察し、全体に伝える役割をになった。K9護岸のランプウェイ台船の動きについて連絡を受けながら、辺野古岬付近の動きを見ていると、土砂投入予定区の海岸近くにはブルドーザーが用意されていた。

 N3護岸の上では鉄板を敷き、防砂シートなどを整備する作業が行われていた。ランプウェイ台船がK9護岸に接岸し、トラックに土砂を積み始める頃には、K3護岸の鉄板を敷いた場所に作業員が集まりだした。ここから投入するのか、と注意していると、ブルドーザーがそこに移動してきた。

 午前11時ちょうどに、K9護岸にやってきたダンプカーが鉄板の上に土砂をこぼした。ブルドーザーが土砂を海側に押し出すと、次々とダンプカーがやってきて土砂を下ろしていった。それに抗議してカヌーメンバーがフロートを越え、現場近くに迫ってプラカードを掲げ、土砂投入反対の意思を示した。

 ランプウェイ台船の接岸からダンプカーへの土砂積み込みと待機、午前11時に合わせた投入という一連の動きは、お昼のテレビニュースの時間に合わせたのが見え見えの演出だった。辺野古の工事が大きな節目を迎えた、と全国に発信し、沖縄県民の諦めを誘う。日本政府・安倍政権の狙いはあからさまだ。

 しかし、これで諦めることができるほど、沖縄島の現実は甘くない。この島で生きていれば、軍事基地がもたらす事件・事故にいつ自分や家族、親戚、友人が巻き込まれるかわからない。沖縄のように生活空間に基地が組み込まれた場所では、諦めたくても基地がそれを許さない。自分は関係ない、と思っていた人たちが、ある日突然、米軍や自衛隊がらみの事件、事故に巻き込まれるのだ。

 辺野古の新基地建設に関して、これまでも何度も節目はあったし、これからもあるだろう。そのたびにマスコミは騒ぎたてるが、節目と節目の間にはどれだけ関心を向けているか。現場では毎日抗議が続けられている。節目は通過点であって終わりではない。傍観者や評論家にならずに自分の問題と考え、私はこれからどうするか、と問い続けることが大切なのだ。

 長島から土砂投入の現場に戻り、ほかのカヌーメンバーからは遅れてオイルフェンスを越え抗議した。オイルフェンスの外から抗議するメンバーやK9護岸で抗議したメンバー、船上から抗議したメンバーなど、多くの人が参加して海上行動が取り組まれた。

 ゲート前では午前5時前から、作業員をキャンプ・シュワブ内に入れないための阻止行動が取り組まれている。そのあともゲートでは抗議行動が続けられた。

 昼食後、松田ぬ浜ではオール沖縄京義主催の抗議集会が開かれた。カヌーチームは浜にカヌーを使って、「N0 BASE」の文字を作って参加した。

 そのあと、集会に参加した皆さんの激励を背に船とカヌーで海上デモを行った。平日の昼間の集会や行動に、仕事を休んで参加した人も多いだろう。やむにやまれぬ思いと怒り、それ以上のものが込み上げてくる人も多かったはずだ。

 うちなんちゅーや、ヤマトゥに腐り政府んかい、うしぇーらってぃ、黙とーてぃやならんどー。

 午後4時過ぎ、帰りがてら豊原の高台に寄って土砂投入の様子を見た。護岸で囲まれただけでもダメージは大きかっただろうに、閉め切られた海域が息の根を止められようとしている。あなたはこの状況を黙って見ているのか。

 


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